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スタッフレポート

スタッフによるレポートを掲載しています。

「慢性関節リウマチと歯科治療」について、勉強会で発表して

《関節リウマチ》

関節リウマチは炎症を主体とする原因不明の多発性関節炎で、慢性に進行し軟骨、骨の破壊、変形に

至ります。関節のみならず眼、皮膚結節、肺、心臓、血管炎などの関節外症状を表すこともあります。

日本における関節リウマチの発症率は0.3%~1%、好発年齢は30~50歳で女性が男性よりも3~5倍程度

発症します。原因は不明ですが、Tリンパ球が活性化され、関節滑膜に浸潤、サイトカインが滑膜を

増殖、炎症が進行して軟骨や骨の破壊を起こすと考えられています。

《口腔の特徴》

①顎関節の異常(リウマチ性顎関節症)

歯科パノラマレントゲンによる評価では、およそ44%程度に形態以上が認められ、下顎骨関節頭の

平坦化、萎縮、消失が生じます。関節リウマチの進行とともに、半数以上に顎運動時に疼痛を認め、

20%程度に開口障害が起こります。

②不正咬合

痛みや顎関節の変形、固縮などにより、舌や口腔周囲筋の異常緊張が起こり、開口、上顎前突が起こり

ます。

③呼吸困難

顎関節の破壊が起こり、下顎が後退し、気道閉鎖を起こしやすくなり、さらに頸椎の破壊が起こると

睡眠時に無呼吸を起こすことが多くなります。

④口腔乾燥

20~30%の関節リウマチの患者さんは自己免疫疾患であるシェーグレン症候群を発症し、重度の口腔

乾燥を起こします。口腔乾燥は特に多発性のう蝕を起こし歯科で適切な予防処置がなされないと短期間

に歯を喪失します。そのため頻回な口腔管理が必要になります。

⑤口腔清掃不良による歯周病やう蝕の多発

関節リウマチの進行に伴い、上肢の運動障害が起こり、歯ブラシや歯間ブラシなどの清掃器具を使い

にくくなり、口腔内の清掃不良により歯周病やう蝕が多発します

⑥口腔清掃の困難

手指の可動性が制限されるため、歯ブラシの選択や改良が必要になります。

《注意事項》

ステロイド剤を長期に服用していると細菌感染に対する抵抗力が減弱して、歯周病を進行させやすく

なります。 歯ブラシの毛で傷を付けないように、歯ブラシを一度水につけたり、ブラッシングをする

前にうがいをして口の中を湿らせるなどの保湿の工夫や、毛の柔らかいブラシを使用するなどの対応が

必要です。

 

《感想》

関節リウマチの患者さんが歯周病になりやすいので定期的なクリーニングを希望され来院されたとき、

なぜなりやすいのか、気を付けることは何なのかと思い調べました。注意事項を頭に入れて十分に気を

付け、その人にあったTBIをしたいと思います。

                               衛生士 藤元

  2020/09/22   ふくだ歯科

「歯科用ユニット給水系(DUWLs)の汚染対策を考える」ついて、勉強会で発表して

感染源としての歯科用ユニット給水系(DUWLs)

歯科用ユニットを用いる際には電源と圧縮空気、そして水が必要不可欠である。その水を供給するのが

歯科用ユニット給水系(Dental Unit Water-lines:以下、DUWLs)であり、水源には一般的に水道水が

用いられる。 現在世界には200か国近く存在するが、そのまま飲用可能な水道水を供給しているのは

日本を含め9か国に過ぎないとされる(諸説あり)。日本の水道水は、浄水場で、河川などから採取した

水を上水道へ供給可能な状態にするための処理が行われている。この時、消毒目的で用いる塩素剤

(次亜塩素酸ナトリウムなど)が水と反応することにより生成されるのが遊離残留塩素である。これは、

強い酸化力により殺菌・消毒の効果を発揮することが知られており、水道水が安全である理由の1つに

挙げられる。 しかし、残留塩素は時間の経過や有機物の存在などにより減少することが知られている。

いかに安全な日本の水道水であっても、適正な残留塩素濃度が維持されていなければ消毒効果が失われ

てしまい、重大な事故に繋がる可能性が高くなることを認識すべきである。

 

DUWLsが汚染される理由

一般的にDUWLsを構成する給水チューブの総延長は6~7mに及ぶ。その長大な内部に存在する水

は、夜間や休診日などの給水停止時に停滞し淀むため、それが水質の悪化を助長するとされる。 具体的

には、滞留水の残留塩素濃度が低下することで微生物が増殖し、その後給水チューブ内壁にバイオ

フィルムが形成され付着する。水道水に添加されている残留塩素のみではバイオフィルムの形成を阻害

できないと考えられているが、これが 汚染の理由の1つとされている。 さらに、そこから落屑した

微生物がハンドピースなどを通して水とともに放出されると、最悪の場合は健康被害に発展する。

 

DUWLsが原因とされる健康被害

今までに報告された健康被害には、一過性の感染から死亡例までいくつかの報告がある。 このうち

感染者数が1番多かったのが、米国ジョージア州アトランタにある歯科診療所で歯髄切断処置をうけた

24人の子どもにMycobacterium abscessusの感染が認められたケースである。感染者は頸部リンパ

節炎や顎骨骨髄炎、また肺結節を患っており、ほとんどは感染した組織を除去するために少なくとも

1回の外科的介入を必要とした。 また、3件報告のある死亡例は、すべてレジオネラ肺炎によるもので

ある。

 

一般的な対策方法と問題点

1. フラッシング

 DUWLs内の滞留水をタービンホースやコップ給水などから排出させること。残留塩素濃度の低下

 した水を水道水質基準に適合した水に入れ替えることができるため一定の効果はあると思われ、実際

 に30秒水を放流すると検出される菌数は1桁減少することも知られている。 しかし、これは給水

 チューブ内壁のバイオフィルムを除去しているわけではないのでこれだけでは不完全だと考え

 られる。

2. ショックトリートメント

 薬剤を用いてDUWLs内に形成されたバイオフィルムの除去を行う方法で、汚染対策としての評価は

 高い。 しかし、使用する薬剤によっては環境負荷が高く、そのまま下水道に排出できない場合が

 ある。また、バイオフィルムを除去したとしても、次の瞬間からバイオフィルムの形成は再開されて

 しまうので、定期的に行う必要性も生じる。

3. 薬剤を用いる方法  

4. 電解機能水を用いる方法

 当院で採用しているPoseidonも電解機能水を用いた方法のひとつである。 Poseidonは水道水その

 ものを電気分解し、中性電解水を生成する装置である。水道水の中に含まれる塩化物イオンが電気

 分解により塩素に変化し、これがすぐに水と反応して次亜塩素酸や次亜塩素酸イオンとなることで、

 遊離残留塩素濃度を補正し消毒力を高め、DUWLsへのバイオフィルム形成および付着が防止

 される。

 

まとめ

水中の細菌などは目視できないためあまり意識したことはありませんでしたが、レポートを書くに

あたって参考にした資料などで、何も対策をしなかった場合のうがいの水やタービンから出る水が

かなり濁っていたのをみて衝撃を受けました。 お水以外でも、患者さんに安心して通院していただける

ように感染対策をしていかなければならないと改めて感じました。

                            衛生士 星島

  2020/08/17   ふくだ歯科
タグ:感染予防

令和元年度 歯科医療安全研修会 に参加して②

有病高齢者の安心安全な歯科医療を実現するためのリスクマネジメント

不整脈(心房細動)

① 頻脈性不整脈(速すぎるもの)

 例:心房細動、発作性上室性頻拍、心房粗動、心室頻拍、心室細動、洞性頻脈、心房性・

   心室性期外収縮など

② 徐脈性不整脈(遅すぎるもの)

 洞機能不全症候群、房室ブロック、徐脈性心房細動など

高齢者の歯科治療では、不整脈が発生しやすいですが、その重症度はピンキリです

無視して良いもの(ほとんど)〜

心臓突然死となるもの(極めてまれ)

 心房細動・・高齢者の代表的な不整脈、臨床的にも重要

不整脈患者のリスクマネジメント

(頻脈性)不整脈患者の局所麻酔薬は何を選択するべきなのか?

歯科用局所麻酔薬

アドレナリンはフェリプレシンよりも心拍数が上昇します

→頻脈性不整脈が発生しやすいことを示しています

アドレナリンにより不整脈は出現しやすくなるといえます

(歯科治療におけるエビデンスはありません)

アドレナリンには頻脈性不整脈(発作性心房細動など)のリスクがあります

不整脈に対する基本的なリスクマネジメント

・歯科治療に伴う疼痛、不安、緊張などを最小限にする

・頻脈性不整脈の既往のある患者では、アドレナリン含有局所麻酔薬は避けたほうがよい 

 しかし、十分な鎮痛効果を得る必要があるため、治療内容を考慮して選択する

・できれば心電図、少なくともパルオキシメトリ(波形が確認できるもの)、血圧測定可能なモニター

 装置を使用してモニタリングする

・致死的な不整脈(心室細動)に対して短時間でAEDを用意できる環境を整える

・BLS(救命救急)のライセンスを取得する

歯科治療中に不整脈が発生したら

・重篤な不整脈を見極める必要があるが、難易度が高い(心電図が必要)

・極端な頻脈(>120拍/分)や徐脈(<40拍/分)、脈の不整に伴い血圧低下、めまい、

 気分不良、呼吸困難感、意識消失などの症状が現れた場合は、重篤な不整脈の可能性を考える

・酸素投与とともに119番通報する

・もし心停止が認められたらAEDを手配し、救急隊到着まで一次救命救急(BLS)を行う

<感染予防>

スタンダード・プリコーション

すべての患者は未同定であり、感染の可能性のあるものとして取り扱い、針刺し事故の防止や血液暴露

に対する対策を講じようとする考え方であり、すべての患者の体液、排泄物、血液、病理組織、胎盤、

抜去歯は感染の可能性のあるものとして取り扱う

グローブをした手で書類その他を触らないようにしましょう!

グローブをポケットに入れないようにしましょう!

グローブに口で空気を入れないようにしましょう!

他の人に使わないようにしましょう!

 

<感想>

患者さんの小さな変化に気付き、対応できるように治療中の患者さんの表情などをしっかりと観察し

ながら診療に取り組みたいと思いました。 清潔・不潔をきちんと区別し、院内感染が起こらないように

器具も定期的にチェックして綺麗に保ちたいです。

                             衛生士 松本

  2020/07/16   ふくだ歯科

令和元年度 歯科医療安全研修会 に参加して①

有病高齢者の安心安全な歯科医療を実現するためのリスクマネジメント

九州歯科大学 リスクマネジメント歯科学分野教授 大渡凡人先生

◆人はだれでも年を取ります…我が国における高齢化率は進行中→56年間で急上昇

 ・人口高齢化(少子高齢化)は世界で進行している

  ・我が国の人口高齢化は(少子高齢化)は特に著しく、今後も世界一である

  ・我が国における人口高齢化の影響が大きい理由のひとつは、そのスピードが他の先進国に比例して

   非常に速いことである 

◆人口高齢化は歯科医療にとって何が問題なのか

  ・歯科医療従事者は「口から食べることを可能にして、患者さんの健康に貢献する」を目指している

   →高齢者は口腔疾患が複雑であるだけでなく、全身疾患をもつ高齢者が増えて、安全の確保が容易

    ではなくなってきたことにある

    例えば、在宅高齢者は重篤な全身疾患をもつ場合が多く、抜歯等でも安全確保が難しい

◆有病高齢者の歯科医療では何に注意すべきか…どの疾患,偶発症に優先的に対応すべき?

  →全身的偶発症として循環器疾患が多い

   …その中でも、①高血圧性危機 ②不整脈 に注意が必要である

◆歯科治療における死亡事故はどうなっているのか

  →局所麻酔関連が多いというデータがある

◆全身疾患を有する高齢者のリスクマネジメント

 安全な歯科治療とは…

  ステップ1:予防

   「病歴・薬剤」「医師からの情報(コンサルテーション)」「理学的検査」

        ↓

    「全身状態の評価」

        ↓

    「対策」…エビデンスに基づいたリスク低下の方法理論を考える

     →できるだけ正確な情報を得る

   ステップ2:早期発見(治療中のモニタリングなど)

    →できるだけ早く対応する

    ステップ3:対応(救急蘇生・薬剤・救急外来への搬送など)

     →専門の方にお願いする…患者を引き継ぐまでの橋渡しの役割を果たす

      必ずお薬手帳を見せてもらい、承諾を得てコピーを取る

     …口頭・自筆による薬剤情報は薬剤名の間違い、 不足など正確でないことが多い為

◆全身状態の把握と対応―まとめ―

 ◇リスクマネジメントで最も重要なのは予防である

  ◇正しい予防には全身状態の把握が必須である

  ◇そのためには正確な患者情報が必要である

 ◇患者情報としては病歴、薬剤情報、医師からの情報、理学検査などがある

  ◇我々は患者情報を正しく理解し、適切なマネジメントを組み立てることができる医学的な知識を

   持つ必要がある

◆高血圧 

 全身疾患を持つ高齢者の歯科治療における血圧変化

  …多くの場合、血圧は上昇する

   ex.抜歯を予定していた高齢者の患者さん

   →抜歯をする前に待合室で心筋梗塞を発症し、死亡した例もある

   …心配だけで血圧は上がってしまう

 高血圧により発症する全身疾患は重篤なものが多い  

  高血圧性腎症、高血圧性脳症、脳梗塞、くも膜下出血、

  脳内出血、心筋梗塞、大動脈解離、大動脈瘤破裂←死に至る可能性が著しく高い

◆治療中に血圧が上昇したら…

 ■疼痛治療を行う→局所麻酔の追加投与など…ある程度有効 

 ■深呼吸をしてもらう(ゆっくり)    …〃

 ■尿意を確かめる(特に男性高齢者)   …〃

 □(降圧剤投与・静脈内鎮静法)…低血圧リスクがある・経験が必要

◆高齢高血圧患者のリスクマネジメント

 ●高血圧性危機は脳幹出血や大動脈瘤破裂など致死的な病態を招きうる

 ●隠れた高血圧を見逃さない→すべての患者で血圧を測定する

 ●治療前・治療中の高血圧では≧180/120mmHgを避ける必要がある

  →モニタリングと血圧コントロールが必要

 ●異常な血圧上昇時は、治療をやめ、疼痛を抑制し、深呼吸をゆっくり行わせる

 (※降圧剤使用は低血圧のリスクがある)

 ●異常な血圧上昇に、胸痛(27%)、呼吸困難(22%)、

   神経脱落症状(片麻痺、意識障害など、21%)、を伴う場合は高血圧緊急症の可能性が高い

   …救急対応が可能な医療機関に連絡し、指示に従う

 

【感想・考察】

高血圧についてある程度知っているつもりでしたが、それがどんな影響を及ぼすかなど分かっていない

ことも多く、改めて知る良い機会となりました。来院される患者さんの中にも抜歯などで「ドキドキ

する」と治療を中断した方もいらっしゃいましたが、上手に声掛け出来ず悩むこともあった為、治療中

に血圧が上昇した時の対処法を知ることが出来て良かったです。心配だけでも血圧が上がってしまうと

のことですので、もちろん注意点や危険性は伝えるべきですが、感情面で負担になりすぎないように

配慮する必要性を感じました。また、患者さん本人だけでなくご家族にも、あまり消極的にとらえるの

ではなく積極的な見方が出来るよう、ご自宅にいるときから気にかけて下さるようにお知らせする必要

もあるのかなと思いました。

                                                                       衛生士 河本

  2020/07/01   ふくだ歯科

義歯洗浄剤の選び方について、勉強会で発表して

〈義歯洗浄剤の成分〉

セルフケア用義歯洗浄剤は主成分と有効成分ごとにお洗浄効果に特徴があります。歯科専売用義歯

洗浄剤の中には特殊な主成分や有効成分が配合されていつこともありますが、基本の成分は歯科専売用

義歯洗浄剤も市販用義歯洗浄剤もほぼ同じです。

① 次亜塩素酸

  殺菌作用 ◎ バイオフィルム除去能 △

② 過酸化物

 殺菌作用 ○ バイオフィルム除去能 ○ 消臭作用 ◎

③ 過酸化物+酵素

 殺菌作用 ○ バイオフィルム除去能 ○ 消臭作用 ◎

④ 酵素

 殺菌作用 △ バイオフルム除去能 × 消臭作用 △

⑤ 銀系無機抗菌剤

 殺菌作用 ◎ バイオフィルム除去能 ◎

⑥ 生薬

 殺菌作用 × バイオフィルム除去能 × 消臭作用 ○

⑦ 酸

 殺菌作用 ○ バイオフィルム除去能 ◎ 歯石除去作用 ◎ 消臭作用 ×

⑧ 過酸化物+二酸化チタン

 殺菌作用 ○ バイオフィルム除去能 ○

⑨ 界面活性剤+超音波

 殺菌作用 ◎ バイオフィルム除去能 ◎ 消臭作用 △

〈洗浄パターン〉

 義歯洗浄剤による化学的清掃メカニズムは3種類に分けられます。実際の義歯洗浄剤は、この3つの

 洗浄パターンを組み合わせて設計されています。いずれにしても、洗浄力が発揮されるには一定の

 時間がかかります。

 ① 分解型洗浄

  汚れの分子レベルに作用し、汚れの状態を変化(分解)させます。汚れと認識できない分子レベルに

  小さく分解され、洗い流されます。 「酸素系漂白剤」と記載されていることが多いです。

  ② 分離型洗浄

  界面活性作用により、基質(義歯)から汚れを除去します。具体的には、付着した汚れを薬剤が

  包み込み、最終的に義歯表面から汚れを引き剥がします。 「界面活性剤」と記載されています。

 ③ 溶解型洗浄

  汚れを洗浄液中に溶解させて被着体(義歯)から除去します。具体的には、食塩や糖分、タバコの

  成分ではアンモニア、ニコチンなどが水に溶けます。 「有機酸、炭酸塩」と記載されていることが

  多いです。

〈義歯洗浄剤のポイント〉

① 義歯洗浄剤に浸ける前に取れる汚れはしっかり落とす

② ぬるま湯に溶かす

 分解型洗浄、分離型洗浄の場合、水温が高めのほうが、洗浄成分がはたらき、汚れも洗浄液中に

 溶けやすくなります。冷水ではなくぬるま湯(40℃前後)に溶かすようにしましょう。ただし、水温

 が高すぎると(約50℃)、義歯材料への悪影響が懸念されます。

③ 水量を守る

④ 洗浄時間を守る

⑤ 表面に傷をつけないよう注意し、しっかりすすぐ

 丁寧にすすぐことで、義歯表面の汚れを確実に除去することができます。すすぎが不十分であると、

 義歯材料への負担、再汚染の恐れがあるので注意しましょう。

 

感想・まとめ

近年、インターネットサイト上で消費者が市販用・歯科専売用義歯洗浄剤を分け隔てなく簡単に購入

できるようになりました。今後、今まで以上に種類を増やし販売されていくことは間違いありません。

私たち歯科衛生士が、正確な知識を学び、患者さんに分かりやすく指導できるよう、努力していく必要

があると思いました。

                             衛生士 池口

  2020/06/10   ふくだ歯科
タグ:義歯洗浄

「なぜ、根面う蝕こそメインテナンスが大事なの?」について、勉強会で発表して

Part 1 押さえておきたい 根面う蝕の基礎知識

 症例で見る根面う蝕の特徴     

  根面う蝕は歯周病に併発している頻度が高く、一般的には高齢者 に多い疾患。    

 症例1 活動性(急性)の環状根面う蝕        

  う蝕は歯頚線に沿って進行し、ときには歯を取り巻いて環状う蝕 を形成する。抗う蝕性の違いで

  エナメル質を侵す頻度は少ないが、 直下の象牙質が侵されて遊離エナメル質となり、崩壊している

  こ ともある。    

 症例2 浅在性根面う蝕        

  う蝕の進行も歯冠部のう蝕と異なり、深達性となるよりも、むし ろ浅在性で複数面(広範囲)に

  広がる症例が多い。    

 症例3 部位により進行速度に差がある  

  比較的ゆっくりと進行するが、全身の健康状態等で急性化した場合、その速度は速い。

 高齢者の場合、歯髄腔も生理的に狭窄し、歯髄組織全体が退行変性に 陥っている傾向にあるので、

 病巣が歯髄腔に接近しても痛みを感じない ため、患者さんは気づいていないことが多い。また、

 両隣接面に発生して 進行すると、前歯小臼歯では破折する危険性が高くなる。    

 根面う蝕の臨床的特徴      

  進行形式       

  ・歯頚線に沿って進行       

  ・環状う蝕       

  ・浅在性       

  ・比較的ゆっくりと進行       

  ・健康状態によって急性化

 

Part 2 初期根面う蝕は修復せず、“管理”する    

 *“管理”=進行を抑制し経過観察すること      

  欠損の小さな根面う蝕に対しては修復処置ではなく、患者教育やフッ化 物塗布により進行抑制を

  図り経過観察をする“管理”という治療を行う。           

  ステージが進行して実質欠損が大きくなった根面う蝕に対しては、修復処置を行い、管理して

  いれば成績向上が期待できる。     

  う蝕が進行しすぎて通常の治療を行うと抜歯に至りそうなケースでは環境改善を図って進行を

  遅らせることを目的とし、非侵襲的に修復して経過をみる。

  (筆者:予想以上に良好な結果が得られている。)   

 *サホライド塗布の根面う蝕への効果     

  フッ化ジアンミン銀(サホライド)塗布は、銀によるタンパク固定とフッ化物による不溶性塩の

  生成により、象牙細管が閉塞されう蝕の進行 や象牙質知覚過敏が抑制される。さらに、齲蝕原生菌

  の付着やその増殖 (プラーク形成)も抑えられる。        

 *対処が難しくなる前に予防を   

  高齢者における根面う蝕リスクの判定とリスクの程度に応じた予防・管理法    

  リスク判定が高い場合の判定基準     

  ・過去1年間に2カ所以上のう蝕発生   

  ・根面う蝕の既往     

  ・多数の歯根面露出           

  ・比較的進行した歯周病     

  ・不良補綴(修復)物、義歯の装着    

  ・心身の活力低下     

  ・不良な口腔衛生状態          

  ・不十分なフッ化物使用     

  ・不十分な唾液流出量          

  ・不規則な受診     

 リスク判定が高い場合の予防・管理法     

  ・患者教育・指導            

  ・ブラッシング指導     

  ・食事指導・カウンセリング       

  ・フッ化物局所塗布     

  ・フッ化物配合歯磨剤の使用       

  ・フッ化物洗口     

  ・プロフェッショナルケア        

  ・補綴物の再製     

  ・1~2ヵ月に1回のリコール

 

【感想】

 根面う蝕は進行度合いによって、処置の仕方も変わってくる、“リスク”と“管理”を充実させるには

 患者さんをよく知ることが大切。      

                           衛生士 赤木

  2020/05/06   ふくだ歯科
タグ:

「食事記録を歯周治療に活かす!」について、勉強会で発表して

はじめに -食事記録からわかること-

食事記録はただ単に「何を、いつ、どのくらい食べた」という情報だけでなく、患者さんの生活リズム

や家族関係、価値観などといったさまざまな情報が読み取れることがあります。また歯周病が治り

にくい理由や、う蝕の発生、う蝕の進行が止まらない理由がわかることもあります。私たちの身体は、

食べたもの、すなわち吸収したものでできています。ですから患者さんの食事内容が、体の健康を維持

するために必要なものなのか、あるいは健康を害するものなのかによって口腔の健康に違いが出ること

も考えられます。

・タンパク質

 タンパク質は、筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの身体を構成し、ホルモン・酵素・抗体などの身体を

 調節する機能を持つ重要な栄養素で、種類がたくさんあります。コラーゲンもタンパク質の一つ

 です。タンパク質の摂取量が少ないと、筋肉の合成が抑制され、同時に筋肉分解が促進されるため、

 全身の筋肉量が低下してしまいます。さらに断食や偏食などによって、極端に摂取量が低下すると、

 筋肉がいっそう分解されて基礎代謝量も低下します。その結果、太りやすくなり、血糖値も上昇

 しやすくなります。

・ミネラル

  鉄・亜鉛・銅・ヨウ素・マンガンなどがミネラルとされています。ミネラルも体内ではほとんど合成

 することができないため、食べ物から摂取する必要があります。鉄や銅が欠乏すると、貧血になる

 ことが広く知られています。亜鉛は味覚に関連するため、不足すると食品の味を感じにくくなり、

 味覚障害を引き起こします。ただし鉄の過剰摂取では肝障害、ヨウ素の過剰摂取では甲状腺機能

 低下症が発症することから、ミネラルは適切な摂取が重要です。

・ビタミン

 ビタミンは、身体の機能を正常に保つために必要な栄養素で、全身の細胞の再生やエネルギー代謝の

 ためにはたらきます。体内でほとんど合成することができないため、食べ物から摂取する必要が

 あります。ビタミンが欠乏すると全身に多様な症状が起こります。ビタミンA欠乏では視力の低下、

 ビタミンD欠乏では骨の形成が低下します。またビタミンB群が欠乏すると、口内炎などの皮膚症状に

 加えて、認知機能の低下をともなった意識障害や神経炎なども起こります。

《歯肉の血管にも悪影響な糖質の摂り方に要注意》

 歯肉は末梢血管が集まっているため、ピンク色をしていると言われていますが、この末梢血管が健康

 であるためには糖質過多にならないようにする必要があると考えられています。例えば、朝食はパン

 とコーヒー、昼食は天ぷらうどんといった食事は、栄養素でいうと炭水化物ばかりですが、

 このような炭水化物(糖質)の多い食事をとると、急激な血糖値の上昇によって血管を痛める血糖値

 スパイクや、血流が悪くなる組織の糖化が起きる可能性があります。ですから糖質の多い食事は注意

 が必要です。

《食回数の考え方》

 う蝕予防として、糖質を含む食事の回数を1日3回に近づけるようにアドバイスされる方が多いと

 思いますが、1日5回以内とおすすめするのもいいです。周知のとおり、食事を摂るたびに口腔内は

 酸性に傾き、歯の表面のカルシウムやリンが溶かされるものの、唾液の作用で時間とともに再石灰化

 が起き、歯質は維持されています。食事回数の増加に伴い脱灰のリスクが上がるため、唾液分泌量が

 少ない、ミュータンス菌が多いなど、う蝕リスクが高い患者さんは、食事の内容だけでなく回数と

 時間へのアプローチも必要になります。しかし血糖値スパイクを予防する観点からは食回数が少ない

 のもよくないと言われています。空腹時に急に満腹状態になると、血糖値スパイクが起こりやすく

 なると考えられているためです。

《糖質とタンパク質に注目した食事に関するアドバイス例》

➀毎食、最低2種類のたんぱく質を多く含む食品を摂りましょう

 ・タンパク質は、肉や骨、血液の材料になるのでとっても大切です。歯ぐきにも血管が集まって

  いますし、歯は骨に支えられているのでタンパク質をたくさん摂りましょう。

➁食べる順番は野菜→肉・魚・豆→糖質を意識しましょう。  

 ・この順番で食べると、血糖値の急上昇を抑えられるので血管にも優しいです。糖質の食べすぎも

  防ぎやすくなります。

➂糖質がメインの単品メニューを避けましょう  

 ・パン、スパゲティ、うどん、そばなどの糖質中心のメニューだけだと血糖値スパイクが起きやすく

  なって血管を痛めてしまいます。他にも身体に必要なたんぱく質などの栄養が足りなくなって

  しまいます。

➃糖質を含む食品を食べる回数を1日5回以内にしましょう  

 ・食べるたびにお口の中が酸性に傾くので、糖質を頻繁に食べるとむし歯になりやすくなります。

  たとえ少量でも頻繁に甘いものを摂ることを控えてください。

➄夕食後の糖質摂取を控えましょう  

 ・夜、寝ている間は歯を守る唾液の分泌量が少なくなってしまうので、歯の再石灰化が起こり

  にくく、むし歯のリスクが上がります。糖質は寝る前は摂らないほうが安心です。

➅砂糖の多いお菓子(特に飲み物)を避けましょう

 ・ジュースや炭酸飲料水には、身体に吸収されやすい糖質がかなり多く含まれています。だいたい

  1本当たりチーズケーキ3個分と同じくらいの糖質量です。それを一気に飲んでしまうと血糖値を

  上げてしまい血管を痛めやすいです。

➆無意識に摂っている糖質に気づきましょう  

 ・たとえばメロンパンの糖質量は約76gでチーズケーキ5個分です。はちみつ大さじ1杯はチーズ

  ケーキ1個に相当します。佃煮やドライフルーツなどにも血糖値を上げる糖質が入っています。

  糖質量を意識してみてください。

※以上の食事内容は腎臓疾患のある方や糖尿病でインスリンを打っている方などの有病者には当て

 はまらない内容を含みます。患者さんの健康状態によっては、タンパク質を増やしたり糖質を減らし

 たりしないほうが良い場合があります。 このような栄養素と歯周病・う蝕との関係については、まだ

 エビデンスがかなり少ないのが現状です。しかし臨床実感では、食事の内容や摂り方に配慮されて

 いる患者さんは歯科治療の予後が安定していますが、食生活が乱れている患者さんは治りにくい傾向

 があると感じています。 患者さんの食生活に関わることで患者さんが将来にわたって、口腔内だけ

 ではなく身体の健康を継続するお手伝いができるようになることが理想です。 また、ただ単に糖質を

 減らすアプローチではなく食事を楽しんでいただけるような指導を目標としています。

 

《感想》

  日々のTBIの中で患者さんの食事内容まで介入するのはなかなか難しいことだと思いましたが、会話

 の中で良いタイミングがあればお話を聞いてみることもいいかなと思いました。口腔は身体の一部で

 あるので患者さん一人ひとりにあったTBIができるようになりたいと思いました。

                                   衛生士 藤元

  2020/04/29   ふくだ歯科
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「抜歯後の注意事項」について、勉強会で発表して

1. 止血について

  ・帰宅後、出血が止まらない場合はガーゼや丸めたティッシュを噛んで圧迫してください。30分程度

    で出血が止まる場合がほとんどです。 しかし、いつまでもガーゼを咬んでいると口の中に唾液が

       溜まり、固まった血が溶けて血が止まりにくくなります。 血が唾液に混じった状態が翌日まで続く

       ことがありますが、気にして頻繁に唾を吐くと、かえって出血の原因となります。唾液に血が

       混じると、多量に出血していると錯覚しやすいですがほとんどの場合心配はありません。 しかし

       長時間、多量の出血がある場合はすぐに医院へ連絡してください。

2. 口腔衛生について

     ・抜歯当日は過度のうがいは避けてください。血が止まった後でも、また出血してくる原因になり

       ます。翌日からは食後にしっかりうがいをしてください。

     ・術部を指や舌で触らないでください。

     ・歯磨きは、術部に触れないようにし、なるべく翌日から行ってください。  

3. 安静について

     ・抜歯当日は、激しい運動や長時間の入浴は避けてください。

       血のめぐりや体温の上昇等によって出血してくることがあります。

4. 食事について

     ・麻酔が切れるまでは、頬を噛んだり火傷の原因にもなるのでできるだけ食事は避けてください。

     ・硬いもの、熱いもの、刺激の強い食物等も避けてください。

     ・体の抵抗力が下がると、痛みや腫れが出やすくなるので、栄養はしっかり取ってください。

     ・腫れや再出血、傷の悪化の原因になるため、抜歯後の飲酒や喫煙は避けてください。

5. 薬の服用について

     ・薬は必ず指示通りに服用してください。

6. その他

     ・抜歯した場所の周囲が翌日腫れることがあります。急激に冷やすことはよくないので、冷やした

       タオルをあてる程度にしてください。

     ・麻酔が切れると痛みが出てくるので必要に応じて鎮痛剤を服用してください。抜歯後4日目くらい

       には鈍痛に変わり我慢できる痛みになり、さらに1週間後にはほとんど痛みはなくなります。

       もし4日くらいを過ぎても強い痛みが続いているときは、抜歯した穴が「ドライソケット」になって

       いる可能性があります。

     《ドライソケット》

         抜歯した部分が血餅(固まり始めた血液)でふさがれずに骨の部分が露出してしまい、激しく

         痛むこと。通常は抜歯後数日でなくなる痛みが治まらず、1週間以上も痛みが続きます。触れると

         痛いなどの症状が出ます。 これは何らかの原因で抜歯した穴が血液で覆われず、かさぶたが

         出来なかったためで骨の上に歯肉が作られず骨が露出したままの状態です。物が入ると直接

         触れるために強い痛みを生じます。ドライソケットは抜歯窩治癒不全とも呼ばれ、抜歯後の

         発生率は2~4%で、下顎の親知らずでは約20%とも言われています。

〈まとめ〉   

   抜歯後の注意はいつも患者さんに伝えていますが、実際に自分が親知らずを抜歯すると、歯科衛生士

   としてある程度知識があっても、出血が続いたり腫れることなど不安に思うことが多かったので、

   患者さんはもっと不安かもしれないと感じました。患者さんから質問された時に不安を取り除ける

   ように説明できるようにしておこうと思います。

                             衛生士 星島

  2020/04/15   ふくだ歯科
タグ:抜歯

「加齢にともなうリスクをカバーする」について、勉強会で発表して

◎年齢とともに口腔に現れる4つのリスク

1.歯肉の退縮  

 加齢とともに歯槽骨が痩せ、歯肉退縮が現れます。また、歯周病に罹患している場合、歯肉退縮は

 加速します。さらに、歯肉退縮により象牙質が露出すると、根面う蝕のリスクも高まります。

 オーバーブラッシングにより露出した象牙質には摩耗がみられることも多いです。

2.唾液分泌量の低下  

 加齢や薬の副作用、咬合力の低下などが原因で唾液分泌量が減少し、口腔内の自浄作用と緩衝作用が

 低下します。口腔内が乾燥するドライマウスはう蝕や歯周病の進行、細菌の繁殖による口臭の原因に

 もなります。

3.口腔機能や味覚の低下  

 口腔機能低下のはじまりは「オーラルフレイル」と呼ばれ、老化のはじまりを示すサインとして注目

 されるようになってきました。症状としては、滑舌の低下やむせ、食べこぼし、噛めない食品の増加

 などが挙げられます。オーラルフレイルの後につづく口腔機能低下症には口腔不潔、咬合力低下、

 咀嚼機能低下、舌口唇運動機能低下、口腔乾燥、低舌圧、嚥下機能低下が挙げられます。

 また、偏った食生活による亜鉛不足も味覚障害の原因の一つです。

4.治療跡の増加  

 修復物の天然歯質の境目はプラーク付着因子となり、補綴物が多ければ、う蝕や歯周病の発症リスク

 も高まります。高齢者は、長く生きている分、う蝕や歯周病にかかった経験が多いので、補綴修復物

 が入っている確率が高くなります。

 

◎リスクをカバーするセルフケアのアドバイス

1.できるだけシンプルな口腔ケア  

 *セルフケアグッズの選び方   

  ①安全に使えるか   

  歯肉を傷つけたり歯肉退縮を助長したりしてしまう清掃器具ではないか、患者さんの磨き癖を含め

  て確認します。クレフトやフェストゥーンなどの歯肉の形態変化を見逃さないようにしましょう。

  ➁単純に使えるか   

  高齢者のセルフケアでは特に重要な項目です。加齢とともに根気が無くなるのが一般的ですので、

  清掃器具の種類を増やしすぎないように工夫しましょう。  

  ③短時間でできるか   

  歯を摩耗させないために大切な項目です。“お風呂に入りながら”“テレビを見ながら”などの「ながら

  磨き」はオーバーブラッシングの原因になるかもしれません。歯を摩耗させないために力が加わり

  すぎて磨きすぎにならないように注意しましょう。

2.唾液の分泌量の低下を補い、酸蝕を予防  

 食後の口腔内は歯からカルシウムが溶け出し、酸性に傾きます。酸性状態が続くと、う蝕や酸蝕の

 リスクも高まるため、唾液をたくさん分泌させ、臨界pH以上に戻すことが予防につながります。

3.機能低下を補い、舌苔を清掃  

 ご家族に口臭を指摘される患者さんは少なくありません。そして、その原因の6割が舌苔だと言われ

 ています。舌苔は口臭の原因の他に味覚低下の原因になります。舌クリーナーで掻き取るか口腔ケア

 タブレットを舐めてもらいましょう。

4.オーラルフレイルの予防  

 唾液分泌量が低下している患者さんには、唾液腺マッサージをしていただくといいでしょう。まず、

 患者さんの背後から術者が実際に唾液腺をマッサージし、唾液の分泌を実感してもらいます。その

 あとご自分でマッサージをしてもらいます。食前に耳下腺、顎下腺、舌下腺を5〜10回マッサージ

 し、唾液分泌を促します。 また、口腔機能維持向上の目的で「あいうべ体操」を1日30回を目安に

 行うよう指導します。舌の筋肉を鍛え、正しい位置に引き上げることで、口呼吸を防止します。

 お風呂の時間に行い、声を出すと喉周辺の筋肉も鍛えられるので、誤嚥防止の効果もあると考えられ

 ます。はじめは舌や頬に痛みを感じることもありますが、加齢によるたるみが改善するなど、女性に

 とっては嬉しい美容効果が期待できることをお伝えすると、モチベーションが高まるようです。

 

感想

 年齢とともに口腔内のリスクは高まるのだと改めて感じました。高齢者の口腔内の特徴をふまえ、

 患者さんに効率的にセルフケアを行ってもらうためにはどのようにサポートをしないといけないか

 考えていきたいです。

                          衛生士 松本

  2020/03/29   ふくだ歯科
タグ:加齢

「口腔機能発達支援」について、勉強会で発表して

離乳期に注目!歯科医院でかかわりやすいチャンス5

日ごろ生活を送るうえで口腔機能が意識されることはありませんが、離乳食期に感じるさまざまな

困りごとこそ、保護者が初めて口腔機能を意識する機会だといえます。

① 噛まない、丸のみする

この主訴で来院する乳幼児の口腔内を診ると、必ず上下の乳前歯以上の歯が萌出しています。保護者は

「前歯が上下生えているのに噛んでくれない。どうしよう。」という気持ちで来院されるようです。

「噛まない」という場合には、一見、「食材を硬くしたら噛む」とか「軟らかいから噛まない」と思い

がちです。実は、食感の異なる材料や海藻類、小魚や食物繊維が多く含まれるものは、口の中に入ると

自然と噛む回数が増えます。ご飯には、しらすでもひじきでも昆布でも、食感の異なる物を混ぜるだけ

で咀嚼回数は変わります。

② 仕上げ磨きが苦手

仕上げ磨きを嫌がるという場合、単に息苦しさが理由であることもあります。乳幼児期の呼吸回数は

成人の約2倍で、嚥下回数も成人よりはるかに多いのです。 子どもは、歯ブラシを近づけると自然と

息を吸い、歯ブラシが口の中に入ると息を止めたり、鼻呼吸をします。そして、口から出すと嚥下し、

息を吐きます。これを利用し、歯ブラシを口に入れてる間、数を数えてみましょう(年齢+2秒が目安

です)。こうすることで、術者が子どもたちの呼吸をコントロールしてあげることになるのです。

このように、歯ブラシの出し入れと呼吸指導を繋げることで、仕上げ磨きを、スキンシップやう蝕予防

はもちろんのこと、機能の発達にも繋げることができます。歯科医院にう蝕の治療に来て何もできない

子に対して、歯ブラシによるブラッシングからスタートすることは非常に重要です。カウントしながら

の仕上げ磨きは、呼吸指導に繋がるだけでなく、タービンやコントラでの治療や予防処置にも繋がり

ます。

③ 口の中に溜め込み、飲み込まない

手全体で物をつかんでいた赤ちゃんは、下の乳前歯が萌出すると、手指が動くようになります。さらに

上の乳前歯が生え揃う時期になると徐々に手指を使って食べ物を口に近づけようとしますが、思うよう

に口の中に入れられず、遊び食べとなり、やがて上手に手づかみ食べができるようになります。

手づかみができるようになると、「食べやすいように」と“一口サイズ”のおにぎりを用意する保護者が

非常に多いです。ただし、この“一口サイズ”は保護者が考えた大きさです。もしそれが口より小さい、

または口と同じサイズだった場合、子どもは詰め込んでしまいます。その結果、多くの乳幼児が次々と

口の中に溜め込んで、飲み込めなくなったり、溜め込みすぎて、えずいてしまうのです。 この場合は、

まず保護者がコンビニおにぎりと同じ大きさくらいのおにぎりを食べるところを見せた後(模倣)、

子どもにかじらせます。この時子どもがかじった量、これがまぎれもなくその子の“一口サイズ”なの

です。一口量は親が決めるのではなく子どもが自ら決めるのです。そのため、かじれるように、口より

大きなおにぎりを作ってもらうのがポイントです。

④ 上顎乳前歯が萌出しているのに、上唇が山型のまま 歯がなく乳児嚥下しかできない新生児や乳児の

多くは山型の上唇をしていますが、舌や口唇機能が発達するにともなって、次第に上唇が平たく口角が

上がるような口元になっていきます。上顎乳前歯が萌出しているにもかかわらず、いまだに「山型の

上唇」のままの乳幼児は、口腔機能の発達不足が疑われます。 山型の上唇をした子では、食事の際、

上唇を使わずに(捕食せずに)食べていたケースが少なくありません。その場合、上唇を使ってまず捕食

をし噛みちぎり、口唇を閉じて咀嚼・嚥下することが重要です。上顎Bが萌出していれば、すでに

手づかみ食べを始めている前後の時期ですが、スプーン食べに戻って、口唇を閉じる動きを練習し直す

のも一つの方法でしょう。

⑤ 保護者がストロー飲みをさせたがる

口腔機能の発達上は、ストロー飲みは必要ありません。舌まで届くストローで飲むことで、舌を前に

出して飲む乳児嚥下が持続され、大切な成人嚥下機能を学習する機会を奪ってしまいます。 また、離乳

食期における最も重要なことは、D(第一乳臼歯)の萌出までに内舌筋を鍛え、嚥下圧を鍛えることで、

これは口蓋形成にも繋がると考えます。内舌筋や嚥下圧は、捕食したりコップから飲もうとする際に

培われます。コップ飲みの際に口唇を丸く包む動きをすると、自然と舌も丸くなりますが、この舌を

丸める動きや食塊形成としてはたらく舌の形を変える動きが内舌筋の動きです。内舌筋の働きによって

舌のボリュームが増し、舌圧(嚥下圧)に関与するのです。 保育環境などの事情からストロー飲みの必要

性がある際には、上顎Aが萌出したら、家庭では少しずつコップ飲みの練習を始めるとよいでしょう。

まずはスプーンで啜って飲む練習から始め、おちょこ、小さいコップなどで徐々に飲む練習を進めて、

内舌筋を鍛えましょう。

 

〈感想・まとめ〉

口腔機能の発達についての知識が少なく、これまで指導したことはありませんでしたが、レポートした

内容で悩まれている保護者の方は多いと思います。むし歯から口腔内を守るだけでなく、さらに広い

範囲でサポートしていけるよう、勉強していきたいです。

                               衛生士 関口

  2020/03/08   ふくだ歯科
タグ:口腔機能