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スタッフレポート

2019年5月

「気になっていた疑問を解決!」について、勉強会で発表して

Q.フロスがうまく使えない患者さんで、歯間ブラシも入らない方はどうしたらよいでしょうか?

A.歯間到達性の高い歯ブラシで対応するのも一つの方法です。

  まずは、患者さんがフロスなどの歯間清掃用具を上手に使えない原因をしっかりと追究することが

  重要です。原因は患者さんによってさまざまですが、歯間部への挿入方法を工夫したり、フロスの

  柄のタイプを変えることで、使えるようになる患者さんもいます。 一方で、これらの工夫を行って

  もフロスや歯間ブラシの使用が困難な場合には、フロスや歯間ブラシにこだわらずに、歯間到達性

  の高い歯ブラシで対応することも一つの方法です。ヘッドの幅が狭く、毛の細い歯ブラシの方が、

  歯間部への到達性が高くなります。また、タフト(毛束)も細い方がより歯間部への到達性が高く

  なります。歯ブラシの毛先を、歯冠方向に45~60度程度の角度で歯面に当てるようにして、

  チャーターズ法に近い磨き方にすることで、歯間部に歯ブラシの毛先が届きやすくなります。

  このように、いろいろと支援の形を考えてみて、その中から個々の患者さんにもっとも適した

  ソリューションを選択し対応していくことが大切です。

 

 Q.歯磨剤を使いたがらない方へ、根面う蝕の予防や進行抑制のためにどうアプローチすればよい

  ですか?

A. 無理強いはせず、効果のある洗口液での洗口やプロケアなどできることで対応しましょう。

  大切なことは、患者さんとよく話し合って、なぜ歯磨剤を使う習慣がないのか、あるいは使いたく

  ないのか、その理由を知ることだと思います。味が嫌い、臭いが嫌い、泡が出て長く磨けない、

  アレルギーがある、過去に「使わない方がいい」と指導されたことがあるなどが考えられます。

  フッ化物配合歯磨剤は、根面う蝕の予防と進行抑制に必須というわけではありません。根面う蝕

  の“進行抑制”に効果があるというエビデンスがあるものとしては、フッ化ナトリウム配合洗口剤に

  よる洗口があり、販売されています。ですから、リスクに応じて洗口液を勧めてみる、プロフェッ

  ショナルケア(フッ化物局所塗布も含む)の間隔を調整する、飲食指導や患者教育に努めるなど、

  できることで対応しましょう。

 

Q.ショルダーバッグの持ち方は、本当に口腔内にも悪影響を及ぼすのでしょうか?

A.顔や口腔周囲の筋肉の緊張が起こり、歯列や歯を動かす力になります。 顔と体はひとつの体の中

  で、みんな繋がっています。人は縦に立っているので体のバランスが崩しやすく、体のバランスが

  崩れると、その歪みを補うために、顔や口腔周囲の筋肉にも緊張が起こります。その筋肉の緊張

  が、歯列や歯を動かす力になるのです。 例えば、体が左に傾いたり、左を向くと、下顎が左にずれ

  て、左側臼歯部同士が強く当たります。そうすると、右側臼歯部が離開します。いつも同じ方向に

  ショルダーバッグをかけ、肩のラインが大きく歪むと、体の偏位が下顎の偏位を起こし、顔貌の

  歪みまで起こすことは、確かだと考えます。 逆もまた同じです。咬合平面が左上がりになると、

  肩のラインが右上がりになり、腰は左上がりになります。それにつれて背骨もねじれます。下顎は

  中顔面にぶら下がっており、体のバランサーの役割をしているため、ある程度体のバランスを保つ

  ことは口腔にとって非常に大事です。

 

〈感想・まとめ〉

どのケースの患者さんに対しても、まずは患者さんの話を聞くことが大切だと思いました。その中で、

最も理想的な方法でなくても、患者さんに「できそうかも」と思っていただける最適な方法を提案

できるよう努力したいです。

                                  衛生士 関口

  2019/05/26   ふくだ歯科

「さまざまな原因で起こる歯に痛み」について、勉強会で発表して

非歯原性歯痛

非歯原性歯痛の原因は、8種類に分類されている。(日本口腔顔面痛学会のガイドライン)

非歯原性歯痛とは、歯や歯周組織に異常が見られないにも関わらず、歯に痛みを感じる状態をいう。

歯の痛みを訴えて受診した人の約3%が、非歯原性歯痛だといわれている。

 

①筋・筋膜性歯痛

    筋・筋膜性歯痛は、食べ物をかむときに使う筋肉(咀嚼筋)や首の筋肉と、これらの筋肉を覆う筋膜

 の痛みが原因で起こる関連痛。関連痛とは、痛みの原因から離れた場所が痛くなることをいう。

②神経障害性歯痛

 神経障害性歯痛は、神経障害性の疼痛が原因で起こる歯の痛みで、主に2つのタイプに分けられる。

  発作性…三叉神経の痛みが原因で起こる激痛。

  持続性…代表的な原因として帯状疱疹や帯状疱疹の後遺症による神経痛。

  神経周囲の炎症や腫瘍、骨折によって神経が障害されることが原因となる場合もある。

③神経血管性歯痛

 頭痛の関連痛として起こる歯の痛み。

④上顎洞性歯痛

 上顎の骨の中にある副鼻腔の空洞に、炎症や腫瘍があって起こる関連痛。

⑤心臓性歯痛

 狭心症や心筋梗塞、心膜炎などの心臓の病気が原因で起こる関連痛。

⑥精神疾患または心理社会的要因による歯痛

 不安や気分が落ち込む抑うつといった心理社会的要因が背景にあって起こる歯の痛み。

⑦特発性歯痛

 さまざまな検査をしても原因がわからない歯の痛み。

⑧そのほかのさまざまな疾患により生じる歯痛

 巨細胞性動脈炎や悪性リンパ腫、肺がんなど、病気が原因で起こる歯の痛み。

 

非歯原性歯痛の検査と診断

 非歯原性歯痛の診断をするには、まず、虫歯や歯周病などの問題がないかを、問診や視診、エックス

 線検査などで調べる。歯や歯周組織に問題がない場合は、8つの原因にあてはまる症状がないか、

 詳しい問診や触診、場合によってはCTやMRIなどの検査をして鑑別。

非歯原性歯痛~筋・筋膜性歯痛の治療~

 一般の歯科で治療できる「筋・筋膜性歯痛」

 筋・筋膜性歯痛

  非歯原性歯痛の8つの原因の中で、一般の歯科で治療が可能なのは「筋・筋膜性歯痛」の場合。

  これは、側頭筋や咬筋など、ものをかむそしゃく筋や、首の筋肉、さらに、その筋膜の痛みが原因

  で起こる関連痛。そのほかの原因の場合は、各分野の専門知識が必要となるため、一般の歯科から

  大学病院の歯科口腔外科や各分野の専門医を紹介することが多い。

  筋・筋膜性歯痛の治療

  病気について正しく理解

   筋・筋膜性歯痛の多くは、ストレスや歯を食いしばるなど、筋肉の緊張状態が原因。

   病気についての正しい理解が治療の第一歩である。

  悪い習慣の自覚と改善

   ストレスや緊張状態を生み出す日常生活の悪い習慣を自覚することも大切。歯ぎしりや食い

   しばり、上下の歯をずっとくっつけている、頬の内側をかむ、硬いものやガムを長時間かむ

   など、無意識に行っているくせなどは、意識して直していく必要がある。最近は、長時間同じ

   姿勢でパソコン作業をしていることが原因で筋・筋膜性歯痛になる患者さんが多い。時間を

   決めて休憩をとったり深呼吸するなどして、緊張をやわらげる工夫をする。うつ伏せであごを

   つけて寝る姿勢も、あごや筋肉に負担がかかるため、控えるべき。

  薬による治療 

   痛みを抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬などの鎮痛薬を使ったり補助的に筋弛緩薬を使う

   こともある。また、トリガーポイントに局所麻酔薬や炎症を抑えるためのステロイドを注射する

   こともある。

   理学療法

   痛みの軽減には、理学療法も効果が期待できる。痛みがある部分の筋肉に、ホットパックを

   使って温めて血流を良くしたり、指で軽くもみほぐしたりする。予防的に、口を開けたり閉じ

   たりを繰り返すストレッチなども効果的だが、痛みが強い場合は無理に行なわない。

 

【感想・考察】  

 齲蝕など歯が直接の原因ではない歯の痛みを抱えて来院される患者さんは最近、とみに増えてきて

 いるように感じます。私としては、関連痛か咬合性外傷くらいしか思いつきませんでしたが、今回の

 レポートで様々な原因がある事に驚くと共に大変勉強になりました。 痛みもただ一つだけとは

 限らず、複合的なものもあると考えられますので、患者さんに寄り添いつつ、状況をしっかりと

 お尋ねしていけたらいいなと思いました。

                         衛生士  河本

  2019/05/12   ふくだ歯科
タグ:歯の痛み