歯肉退縮について、勉強会で発表して
歯肉が下がってくる原因について
↓
歯を支えている骨がなくなってくるから
(歯肉が退縮するためには歯肉より先に骨がなくなっている)
1歯が生えた時に元々骨がない場合
2歯が生えた時には、骨があったが後になってなくった場合
3歯肉自体に問題がある場合
(薄い歯肉は歯肉退縮のリスクが高いと言われている。)
1最初から骨がない場合(唇側の多くみられる)
歯の大きさと顎の大きさにアンバランスがあったり、歯の位置異常や傾斜、歯の捻転があると歯が
生えそろった時点ですでに骨がないという事が起きる。
=歯肉退縮を起こしやすい
2後で骨がなくなる場合
歯周病が主な原因
ポケット周囲に停滞するプラーク中に生息する細菌は、食物残渣を分解し 歯肉の炎症を誘発する
有害物を産生する。また内毒素や酸素を有するために、歯槽骨まで炎症が進み骨の吸収を起こす。
歯周病は重傷にならないと自覚症状が出にくく又一度歯周病によってなくなった骨は 基本的には元
には戻らない
他にも不適切な矯正治療によって骨がない方向への移動(頬舌側移動)を急速に行うと骨がついて
これなくなり結果として歯根を覆う骨がなくなってしまう。
3歯肉自体に問題がある場合(薄い歯肉)
→一番関わってくるのが毎日のブラッシング
薄い歯肉は強いブラッシング圧や硬いブラシの使用に対する抵抗が低くなっている。
又、先ほど説明した歯が歯列からはみ出しているような場合(=骨が最初からないい場合)
は歯肉が薄いことが多くそのうえ歯がはみだしている分、ブラッシング圧がかかり 二重三重に
歯肉退縮のリスクが高くなってくる。
ブラッシングと歯肉退縮の関係
・柔らかめの歯ブラシ→歯肉退縮を起こしている歯面4.67%
・硬めの歯ブラシ →歯肉退縮を起こしている歯面9.42%
・ブラッシング圧約200g→歯肉退縮なし
・ブラッシング圧約400g→歯肉退縮有り
★薄い歯肉は普通に磨いているつもりで強いブラッシング圧がかかるので要注意!
また、歯肉の炎症にばかり気を取られて歯肉退縮のリスクの高い部位を見過ごしていると バス法
を指導したとたんに歯肉退縮が起こりだすこともある。
(バス法は歯頸部のプラークの除去やマッサージ効果はあるがその反面、歯肉に ブラッシング圧
がかかりやすいため)
なので歯肉退縮を予防するためにも、患者さんの磨き癖をしっかりと把握し 患者さんにあった
ブラッシング指導をすることが大切。
感想
患者さんの中でも歯茎が下がることを気にしている人は多いと思うので歯肉退縮がどうして起こる
のかを詳しくしれたので良かったです。歯周病によってなくなった骨は元には戻らないので骨の
吸収を最小限におさえれるようクリーリングでのお掃除やブラッシング指導をしっかりと行って
いきたいと改めて思いました。
又、普段私たちが歯周病に効果的とおススメしているバス法でも一歩間違えれば 歯肉退縮の原因
になってしまうかもしれないという事をしっかりと頭にいれて 圧の説明もきちんとしてきたいと
思いました。
衛生士 加藤