スタッフレポート

SRP

Dr.Hiroの超明解ペリオドントロジーを読んで

SRPを効果的に行うために

SRPを行うことで、ポケット内の細菌はもちろん、根面の内毒素も減少することができる。

歯科では様々な場面でSRPを行う機会があるため、しっかりと理解しておく必要がある。

 

SPRの目的

SRPを行うとポケット内の細菌は減少し、また、新しく細菌叢ができていくときには善玉菌が増えて

くることが分かっている。つまり、量的にも質的にもポケット内の細菌の状況は改善される。しかし、

徐々に細菌は後戻りしていき数ヵ月後には元の状態に戻ると言われている。

これを防ぐために

・患者さんによる毎日の歯肉縁上のプラークコントロール

・術者による定期的な歯肉縁下のプラークコントロール

・口腔内環境の整備

・リスクファクターの排除

などの後戻り防止法がある。

歯肉縁上のプラークコントロールが悪いと後戻りが早いと言われており、歯肉縁上プラークが歯肉縁下

プラークの供給源になったり、歯肉縁上のプラークコントロール不良が原因で炎症を起こすと、歯周病

菌のはびこりやすい環境になることなどが考えられているからである。

 

目指す根面

根面が平滑になるとプラークは付きにくく除去しやすいと考えられるが、具体的にはどのような根面を

目指せば良いのか。ひとつの指標として「ガラス様の根面になっているかどうか」というものがある。

「ガラス様根面」を言いかえると、“硬く”て、“平滑”で“清潔”な根面とも表現される。この三拍子揃った

根面を確認するうえで一番大切な感覚は“触覚”である。つまり、エキスプローラーやスケーラーなどで

根面の状態をいかに感じ取れるかが重要となる。

 

器具の選択

SRPを効果的に行うためにはその患者さんに適した器具を選択することが大切である。そのためにも

まずポケットの深さや形態、歯石の沈着量などを把握しなければならない。

深くて狭いポケットであれば、ミニファイブのようなシャンクが長くて刃の短いタイプが使いやすく、

硬い歯石が多量についていれば刃の細くないスケーラーが望ましい。このようにSRPを行う局所を把握

することはただ単に術前の状態を知っておくというだけでなく、その局所に適した器具を選ぶのにも

役立つわけである。

・歯石の量が多い、歯石が硬い場合

 ⇒エアスケーラーや超音波スケーラーの多用

  ブレードの幅の広いキュレット

  シャンクの太いキュレット

・ポケットが深い場合

 ⇒シャンクが長く、ブレードの小さなキュレット

  ブレードの長いキュレット

       チップが長くて細い超音波スケーラー

・根が近接している

 ⇒ブレードの幅の狭いキュレット

  チップの細い超音波スケーラー

・時間が限られている

 ⇒エアスケーラー、超音波スケーラーの多用

 

部位の選択

SRPを行う部位を自分で判断する場合や限られた時間内に行う場合、その選択にもひと工夫すると

良い。出血するという患者さんの訴えがある部位から始めるのも良いし、鏡で患者さん自身が歯肉の

変化を確認しやすいところから始めるのもひとつの手である。SRPをすることによって自分の歯肉が

よくなっているんだ、という実感が湧くようであれば、患者さんにとってそれ以降の治療にも積極的

に参加するきっかけやモチベーションにもなる。

 

歯根の形態を理解する

SRPを行う際、どこに凹みがありどこの角がとがっているかということを理解していることはとても

大きな武器になる。SRPだけでなく、プロービング時やブラッシング指導時にも役立つため頭に入れて

おく必要がある。

 

まとめ

今回はこの本の中でも、自分もする機会が増えてきたSRPについてレポートにまとめることにしま

した。SRPを行う上で、器具について、歯根の形態など理解しておかなければならないことがたくさん

ある事を改めて実感し、もっと勉強する必要があると感じました。

より良い口腔内を保つためには、ただSRPを行うだけでなく、患者さんの協力も必要不可欠である

ので、今後指導を行うようになった時には、患者さんのモチベーションを上げつつ患者さん自身にも

プラークコントロールを頑張っていただけるような指導が出来るようになりたいと思いました。

                                    衛生士 星島

  2016/09/28   ふくだ歯科
タグ:SRP

SRPについて勉強会で発表して

<SRPの目的>

1.細菌編

 SRPをするとポケット内の細菌は激減し善玉菌が増えてくるが数ヶ月すると元の状態に戻る。

→これを防ぐために...

①患者さんによる歯肉縁上プラークコントロールを徹底する

 歯肉縁上プラークが歯肉縁下プラークの供給源になったり、歯肉縁上のプラークコントロール不良が

 原因で炎症をおこすと歯周病菌の住みやすい環境になるため

②定期的に歯肉縁下プラークを除去する

 深いポケットは細菌が後戻りしやすいため定期的に除去して歯周病菌が住みにくい環境をつくる

2.根面編

 プラークとその足場になる歯石が同時に除去され根面が平滑になることが一番大切なこと

→SRPのゴールはどこまでなのか

①ガラス様の根面(硬くて平滑で清潔)になっているかを確認する

・触覚

 エキスプローラーやスケーラーなどで、根面の状態を感じ取る

・視覚

 SRP前は歯石やプラーク、肉芽が血液と共にでてくるため赤黒いドロっとしたものだがSRPが

 進むにつれて明るい赤色のサラッとした浸出液に変わる

・聴覚

 SRPが進むにつれてだんだんと高い音に変わる

②SRP後の再評価

 少なくとも2週間、できれば1ヶ月程度あけてプロービング値、付着レベル、プロービング時の出血

 をSRP前と比較する

<SRPのポイント>

1.術前診査でポケットの深さや形態、歯石の沈着量などを把握して器具を選択する

(例)・歯肉が薄い→ブレードの幅の狭くなったキュレット

   ・歯石の量が多い、歯石が硬い

    →エアスケーラーや超音波スケーラーの多用

     ブレードの幅の広いキュレット

     シャンクの太いキュレット

   ・ポケットが深い

   →シャンクが長いキュレット

     チップが長くて細い超音波スケーラー

   ・時間が限られている

    →エアスケーラー、超音波スケーラーの多用

2.解剖学的な歯根の形態を知っておく

3.スケーラーのメインテナンスをおこなう 

<感想>

SRPを行う目的には細菌に対するものと根面に対するものがあることが分かりました。SRPを行う

時には、患者さんの口腔内や検査の結果を見てその人にあった器具を選べれるようしたいです。

また、歯根の形態を知っておくことと合わせてそれぞれの歯の形態を知っておくことで患者さんへの

ブラッシング指導をする時にも分かりやすく伝えれると思うのでもう一度しっかりと勉強しておきたい

と思いました。

                                     衛生士 松本

  2015/08/30   ふくだ歯科
タグ:SRP