スタッフレポート

2019年9月29日

歯周病と糖尿病について、勉強会で発表して

日本における糖尿病患者は4人に1人となり、歯科医院でも糖尿病を抱えた患者を診る機会が増えて

きています。歯周病は糖尿病第6の合併症といわれており、歯周病治療を担当する歯科衛生士にとって

糖尿病を理解することは重要です。

 

糖尿病とは

インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気。インス

リンは膵臓からでるホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。

 

1型糖尿病

・膵臓でインスリンを作るB細胞が壊れてしまうため、インスリンが膵臓からほとんど出なくなり、

 血糖値が高くなる

・若い人に多い

・やせ型の方が多い

 

2型糖尿病

・生活習慣や遺伝的な影響により、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったり

 して血糖値が高くなる

・中高年に多い

・肥満の方が多いが、やせ型の方もいる

 

糖尿病の自覚症状

・喉が渇く、水をよく飲む

・尿の回数が増える

・体重が減る

・疲れやすくなる  など

 

糖尿病の合併症

・毛細血管を中心に生じる細小血管障害  

 糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害

・比較的太い血管に起こる大血管障害  

 心筋梗塞、脳梗塞などの原因となる動脈硬化

 

合併症予防 HbA1c7.0%未満

 

歯周病との関係

糖尿病は歯周病を悪化させる

糖尿病の患者さんは、唾液の分泌が少なく、プラークがつきやすくなることがよくあります。そのため

歯周病の発症リスクは健常な人の2〜3倍といわれます。免疫機能の低下で、細菌に対する抵抗力が

低く、歯周病が悪化しやすくなっています。

歯周病は糖尿病を悪化させる  

糖尿病の患者さんが、風邪などの感染症にかかると、一時的にインスリンの作用が弱くなり、血糖値が

高くなります。歯周病も感染症のため、血糖値を上げるように働きます。風邪などの一時的な病気とは

異なり、歯周病は慢性の感染症のため、その影響がずっと続き血糖コントロールを悪化させます。

歯周病により、歯茎が痛んだり歯がグラグラ揺れたりするような状況では食事の量が減ったり食べる物

が偏ったりして、食事療法や薬物療法を正しく行えないようになります。

糖尿病の人は歯周病が発症・進行しやすく、歯周病のために糖尿病の治療がうまくいかないこともあり

ます。反対に血糖をよくコントロールし適切に歯周病を治療すれば、双方に好影響を与える相乗効果を

生み出します。

PCRが下がるとHbA1cが下がる!

HbA1c1%改善に伴う合併症リスク低減効果

・糖尿病関連死 −21%

・心筋梗塞   −14%

・脳梗塞    −12%

 

感想

 糖尿病と歯周病は密接に関係していることがわかりました。歯周病治療をすることにより糖尿病の

 合併症のリスクも低減できるということで、私達歯科衛生士の役目はとても重大なものだと感じ

 ました。糖尿病についてはもちろん、糖尿病の患者さんが歯周治療になぜ通われているのか患者さん

 の気持ちもしっかりと考えていきたいです。       

                            衛生士 松本

  2019/09/29   ふくだ歯科