スタッフレポート

「元気にかむ」について、勉強会で発表して

かみ合わせ異常 放置で悪化

咀嚼は、歯のほかに、あごの関節や筋肉、舌、神経などが関わり合う、とても複雑な運動。

どれに問題が起きても、きちんとかめなくなる。

歯がすり減ったり欠けたりしても、慣れると違和感を感じなくなるが、無理なかみ合わせで食べ続けると、

周囲の健康な歯に負担がかかってもろくなったり、あごの関節がずれたりするなど、さらに大きな問題を

引き起こす心配がある。

 

日本顎咬合学会により、かみ合わせ異常を早期発見するための自己チェック「咬合スコア」が開発されている。

かみ合わせチェック

最近1ヶ月間について

□ かみ合わせの位置が定まらないと感じる

□ 口が思うように開かなかったり、あごがスムーズに動かない

□ かみ合わせの高さに不満を感じる

□ 自分の歯並びが気になる

□ 歯ぎしりや歯を強くかみしめる癖がある

□ 左右どちらか一方でかむ癖がある

 

最近1ヶ月間について、上記六つの項目に対し、答えが「ほとんどない」なら0点、「すこしある」なら3点、

「ある」なら5点を足す。合計が6~8点の場合、かみ合わせに異常がある可能性があり、9点以上なら、

大きな問題があると考えられる。6点以上でも必ず治療が必要とは限らないが、まずは専門家に診てもらうことが

勧められている。

 

 

歯を離し あご守る

口を開閉しづらくなったり、顎を動かすと痛みや異音が生じたりする「顎関節症」。

若い女性を中心に症状を訴える人が増えており、日本人の4割がかかるとも言われている。かみ合わせの

悪さだけが原因とは限らないようだ。顎に負担のかかるような生活習慣も影響していると考えられる。

本来、上下の歯が接触するのは、食事や会話の間くらいで、一日に合計20分にも満たないが、

顎関節症患者の約8割に上下の歯を付け続ける癖が見られる。歯を軽く触れ合わせるだけでも、

顎の筋肉が緊張する為、長時間続くと負担になる。

 

癖を直すには…「歯を離す」などと書いた紙を職場や自宅のあちこちに張り、目にする度に歯を離すようにする。

1、2か月ほど続ければ、症状の改善が見込める。

 

歯ぎしりや、食べ物を片側の歯だけでかむ、ほおづえをつく、といった癖も顎関節症を悪化させる可能性がある。

また、顎関節症の人の場合、顎に過度の力を込めるのは厳禁。ガムなどを長時間かみ続けるのも避けたい。

 

和食で回数増やそう

食物をよくかむのは、消化のためだけではない。

◇満腹感をもたらすので食べ過ぎを防ぐ

   ◇唾液の分泌を促進して、口内を清潔に保つ

◇脳の血流が増すため、認知症の予防にも効果がある

 

食生活の変化で軟らかい食物が増えた為、現代人がかむ回数は、弥生時代の6分の1、戦前と比べても

半分以下と激減。

「かむ回数を増やすには、和食がよい」…脂肪が少なめで食物繊維が豊富な為、たくさんかむ必要がある。

 

和食で使われる食材

ま…豆類、豆製品

ご…ゴマ

わ…ワカメ、昆布などの海草類

や…野菜類

さ…魚、イカ、貝などの魚介類

し…シイタケなどのキノコ類

い…イモ類

 

上記のような食材は、かみごたえがあるうえ、食物繊維やビタミン、ミネラルを多く含み、栄養バランスにも

優れている。

よくかむのに効果的な調理の工夫…大きめに切る。加熱の方法や時間を調節する。

その他、薄味にすると味を感じようとしてよくかむようになるという。

ただしあまり強くかむと、歯が欠けたり、あごを痛めてしまう可能性もある為、強さではなく回数を

増やすことを目指したい。

 

 

【感想・考察】

顎関節症については、以前にもまして認知度が高くなり、色々な分野で取り上げられてきました。

私自身、かみ合わせや顎関節が気になっていたので、今回こうしてレポートにしてみました。

何気ない習慣や癖などによって容易に悪化してしまったり体全体の状態に影響してしまうので、「噛む」こと、

「噛める」ことが日常生活の中でいかに重要な位置を占めているのかという点を改めて考えさせられました。

患者さんの中にも顎関節に不安を感じておられる方や、すでに音がする、開きにくいう方も多数いらっしゃいます

ので「咬合スコア」は一つの目安になるのではと思いました。

よくかむのに良い食材や効果的な調理の仕方などを参考にTBIなどにも活かしていけたらと思います。

                                                            衛生士 河本

 

  2012/12/01   ふくだ歯科
タグ:噛む