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スタッフレポート

「加齢にともなうリスクをカバーする」について、勉強会で発表して

◎年齢とともに口腔に現れる4つのリスク

1.歯肉の退縮  

 加齢とともに歯槽骨が痩せ、歯肉退縮が現れます。また、歯周病に罹患している場合、歯肉退縮は

 加速します。さらに、歯肉退縮により象牙質が露出すると、根面う蝕のリスクも高まります。

 オーバーブラッシングにより露出した象牙質には摩耗がみられることも多いです。

2.唾液分泌量の低下  

 加齢や薬の副作用、咬合力の低下などが原因で唾液分泌量が減少し、口腔内の自浄作用と緩衝作用が

 低下します。口腔内が乾燥するドライマウスはう蝕や歯周病の進行、細菌の繁殖による口臭の原因に

 もなります。

3.口腔機能や味覚の低下  

 口腔機能低下のはじまりは「オーラルフレイル」と呼ばれ、老化のはじまりを示すサインとして注目

 されるようになってきました。症状としては、滑舌の低下やむせ、食べこぼし、噛めない食品の増加

 などが挙げられます。オーラルフレイルの後につづく口腔機能低下症には口腔不潔、咬合力低下、

 咀嚼機能低下、舌口唇運動機能低下、口腔乾燥、低舌圧、嚥下機能低下が挙げられます。

 また、偏った食生活による亜鉛不足も味覚障害の原因の一つです。

4.治療跡の増加  

 修復物の天然歯質の境目はプラーク付着因子となり、補綴物が多ければ、う蝕や歯周病の発症リスク

 も高まります。高齢者は、長く生きている分、う蝕や歯周病にかかった経験が多いので、補綴修復物

 が入っている確率が高くなります。

 

◎リスクをカバーするセルフケアのアドバイス

1.できるだけシンプルな口腔ケア  

 *セルフケアグッズの選び方   

  ①安全に使えるか   

  歯肉を傷つけたり歯肉退縮を助長したりしてしまう清掃器具ではないか、患者さんの磨き癖を含め

  て確認します。クレフトやフェストゥーンなどの歯肉の形態変化を見逃さないようにしましょう。

  ➁単純に使えるか   

  高齢者のセルフケアでは特に重要な項目です。加齢とともに根気が無くなるのが一般的ですので、

  清掃器具の種類を増やしすぎないように工夫しましょう。  

  ③短時間でできるか   

  歯を摩耗させないために大切な項目です。“お風呂に入りながら”“テレビを見ながら”などの「ながら

  磨き」はオーバーブラッシングの原因になるかもしれません。歯を摩耗させないために力が加わり

  すぎて磨きすぎにならないように注意しましょう。

2.唾液の分泌量の低下を補い、酸蝕を予防  

 食後の口腔内は歯からカルシウムが溶け出し、酸性に傾きます。酸性状態が続くと、う蝕や酸蝕の

 リスクも高まるため、唾液をたくさん分泌させ、臨界pH以上に戻すことが予防につながります。

3.機能低下を補い、舌苔を清掃  

 ご家族に口臭を指摘される患者さんは少なくありません。そして、その原因の6割が舌苔だと言われ

 ています。舌苔は口臭の原因の他に味覚低下の原因になります。舌クリーナーで掻き取るか口腔ケア

 タブレットを舐めてもらいましょう。

4.オーラルフレイルの予防  

 唾液分泌量が低下している患者さんには、唾液腺マッサージをしていただくといいでしょう。まず、

 患者さんの背後から術者が実際に唾液腺をマッサージし、唾液の分泌を実感してもらいます。その

 あとご自分でマッサージをしてもらいます。食前に耳下腺、顎下腺、舌下腺を5〜10回マッサージ

 し、唾液分泌を促します。 また、口腔機能維持向上の目的で「あいうべ体操」を1日30回を目安に

 行うよう指導します。舌の筋肉を鍛え、正しい位置に引き上げることで、口呼吸を防止します。

 お風呂の時間に行い、声を出すと喉周辺の筋肉も鍛えられるので、誤嚥防止の効果もあると考えられ

 ます。はじめは舌や頬に痛みを感じることもありますが、加齢によるたるみが改善するなど、女性に

 とっては嬉しい美容効果が期待できることをお伝えすると、モチベーションが高まるようです。

 

感想

 年齢とともに口腔内のリスクは高まるのだと改めて感じました。高齢者の口腔内の特徴をふまえ、

 患者さんに効率的にセルフケアを行ってもらうためにはどのようにサポートをしないといけないか

 考えていきたいです。

                          衛生士 松本

  2020/03/29   ふくだ歯科
タグ:加齢