「フッ化物応用」について、勉強会で発表して
<フッ化物歯面塗布の目的>
萌出後の歯のエナメル質表面に直接フッ化物を作用させることによって、歯質を強化しう蝕に対する
抵抗性を与えること。年に数回の実施で予防効果が認められるため、小児や高齢患者さんにとっては
負担の軽いフッ化物応用方法である。
<フッ化物塗布時の保健指導>
フッ化物歯面塗布の効果は確認されているもののそれだけでう蝕が完全に予防できるわけではないので
保健指導も行う必要があります。
① 日常の歯口清掃を十分行うよう伝える
② 含糖甘味食品の摂取制限を含め食生活習慣について指導する
③ フッ化物歯面塗布の効果とその作用機序について説明する
④ フッ化物の塗布のために歯科医院の定期受診をすすめる
<フッ化物歯面塗布の主な対象歯>
1歳・・・乳前歯
2~4歳・・・乳臼歯
5~7歳・・・第一大臼歯、永久歯前歯
8~9歳・・・永久歯前歯、第一小臼歯
10~11歳・・・第一小臼歯、犬歯
12~13歳・・・第二大臼歯、第二小臼歯
萌出して間もない歯は、未成熟で反応性が高くフッ化物塗布による歯の表層へのフッ素(フッ化物
イオン)の取り込み量が大きいため小児の場合フッ化物歯面塗布は萌出直後の歯に対して行うのが
最も効果的。
◎ う蝕に最も罹患しやすいのは、歯が萌出して2~3年の間といわれているので継続して何度も
繰り返し塗布することが大切である。
フッ化物配合歯磨剤で一生のセルフケアを!!
フッ化物配合歯磨剤は、小児・成人・高齢者の別なく自分の歯をもつあらゆる年齢の人が利用すべき
ホームケア用品である。しかし、歯磨剤のフッ素濃度やブラッシング方法がそれぞれ異なるため有効性
と安全性が変化するため歯科医療従事者はフッ化物配合歯磨剤の適正な利用法をアドバイスするべき
である。
<フッ化物配合歯磨剤の年齢別応用量>
年齢 使用量 フッ素濃度 注意事項
6ヶ月(歯の萌出)~2歳 切った爪程度の少量 500ppm 仕上げ磨き時に保護者 が行う
3~5歳 5mm以下 500ppm 就寝前が効果的ブラッシング後
5~10mlの水で1回のみ洗口
6~14歳 1cm程度 1000ppm 就寝前が効果的 ブラッシング後
10~15mlの水で1回のみ洗口
15歳以上 2cm程度 1000ppm 就寝前が効果的 ブラッシング後
10~15mlの水で1回のみ洗口
<感想>
フッ素塗布は日頃から行うことが多く、一般の方の中でもむし歯予防としても多く知られていると
思います。フッ素は繰り返し塗布することが大切であることや、フッ素入り歯磨剤の利用法を適切
に伝えていきたいです。
衛生士 松本