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スタッフレポート

口腔粘膜

口腔粘膜疾患識別ガイドについて、勉強会で発表して

1・口腔粘膜ってなんだっけ?   

 口腔粘膜はからだの状態を映し出す鏡     

  口腔はからだの中で唯一直視できる臓器。口腔粘膜の変化を見分けて、病変が口 腔に限局した原因

  で起こっているのか、あるいは全身的な問題や薬の影響による ものかを予見する知識も必要。

 機能の低下により罹患リスクもアップ     

  加齢が進むと口腔粘膜は免疫機能が低下し、また再生力も低下。高齢者におい ては、ブラッシング

  が不十分になるなど口腔衛生の自己管理能力が下がったり 唾液分泌量が低下することなど口腔環境

  が悪化する。   

 口腔粘膜の役割     

  ➀細菌などの侵入を防ぐ     

  ②下部組織からの体液の流出を防ぐ     

  ③感覚器官として痛覚、触覚、温度覚を伝える     

  ④粘膜下組織の細胞に情報を伝達し、免疫的防御機能を担う

 

2・口腔粘膜疾患データベース   

 口腔粘膜を診る時の基本は「色」です。     

  正常な口腔粘膜の色は「ピンク」     

  口腔粘膜疾患「白」「赤」「黒」「黄」の4色に分類することができる    

 白色病変      

  上皮の細胞に異常が生じると、角化細胞層や有棘細胞層が厚くなり、本来、14 日間で剥がれ落ちる

  細胞が残ってしまう。それにより、粘膜下組織の血管(ピ ンク色)が透けて見えず、粘膜面に

  当たった可視光線が乱反射し、白色病変と して観察される。              

  口腔カンジダ症     口腔扁平苔癬      白板症    

 赤色病変      

  紅斑は盛り上がりのない赤い色の変化のことで、多くは毛細血管の炎症充血 によって赤く見える。

   紅板症     正中菱形舌炎    多形滲出性紅斑    

 黒色病変      

  メラニン色素など色素沈着により黒く見える。      

  おもに、びまん性の変化で色素性母斑、外来性色素沈着、黒毛舌があるが、悪 性黒色腫の場合が

  あるので要注意。

  アジソン病やポイツイェーガー症候群など、口腔内に色素性沈着がみられる全 身疾患もある。     

 黄色病変      

  生体にはカロチノイド、ルテインと呼ばれる色素があり、これらは脂肪に溶け て存在することが

  多く、粘膜を通して黄色に見える。          

  Fordtce斑(皮脂腺)    脂肪腫    疣贅性黄色腫(極めてまれである)

 

  口腔がんに要注意!     

  粘膜疾患の中でも、その重篤さからとくに気をつけたいのが前がん病変。     

  がん化する可能性のある疾患は、白色病変、赤色病変に多く、とくに気をつけた い疾患名では

  前がん状態は「口腔扁平苔癬」、前がん病変は「白板症」「紅板病」。

  口腔がんの約90%は口腔粘膜を起源とするもの。

  好発部位は舌で全体の約40%を占めそのほとんどが舌縁部に発生する。

  次に歯肉で、約30%を占める。上下顎ともに臼歯部歯肉に多くみられるが、 下顎の発生率は上顎の

  約2倍。

 

【感想】     

口腔粘膜疾患のなかには患者さんの生死にかかわるものや、全身疾患との関連が 疑わしいものもある

ので、定期的に患者さんの口腔内を見ていく中で観察力を鍛 える必要があると思いました。             

                                  衛生士 赤木

  2019/06/02   ふくだ歯科
タグ:口腔粘膜

「口腔粘膜異常~口腔粘膜診査における4つのPoint~」について、勉強会で発表して

 

 異常を察知するための診査項目は4

①口腔の構造・病変の部位

②病変の色

③表面形態・症状

④発症状況

     

歯科医師に報告するときには、患者さんに対して不安を与えない会話や

態度が大切。

 

 

Point, 口腔の構造と病変の部位を知る

口腔診査の前に、まずは口腔のつくり(構造)と各部位の名前を知る。

WHOによる口腔内の解剖学的分類…歯・歯肉、口唇、頬粘膜、

                 口蓋、舌、口底

口腔内の正常組織像を理解しておくことも大切。

 

◆上皮は基底層から角化層へと2~3週間かけて変化し、最後は垢として  

 消える。

→「3週間経っても治らない病変は、悪性腫瘍や難治性口腔粘膜疾患

を疑え」

◆上皮下の組織「粘膜固有層」には小唾液腺や味蕾などの付属器官が存在

 する

◆上皮の各細胞層、粘膜固有層、小唾液腺に病変が発症すると、口腔粘膜

 の色調や表面性状、形態に変化が見られる。

 

 

Point, 口腔粘膜病変・変化のいろ(色調)をみる

  口腔粘膜の病変・変化を診たとき、最初に飛び込んでくるのが

  「いろ(色調)」の変化。

→これらは表面の形(症状)と対応することが多い。

 

いろに関係する病変

赤…萎縮、紅斑、局所の炎症症状などと関連。

白…角化亢進、炎症にともなう落屑、カンジダ症(真菌感染症)など

  と関連。

黒…内因性色素(メラニン、ヘモグロビンなど血清色素)、外因性

  色素(歯科用金属など)と関連。

黄色…皮膚の皮脂腺が口腔粘膜に生じた変化のフォーダイス斑と

   関連。

茶色・グレー…上記色調の混合などと関連。

 

 

Point, 口腔粘膜病変の形、表面形態(症状)の変化をみる

表面の形が平坦か、隆起しているか、陥没しているかについて診る

①平坦な場合:色素斑、紅斑、萎縮、舌苔、偽膜、剥離

②隆起している場合:角化亢進、腫瘤、腫瘍、腫脹、水泡、肥大、

          結節、丘疹、ポリープ、膿胞

③陥没している場合:びらん、潰瘍、アフタ

 

黒色斑…メラニン色素の集まり。

紅斑…血管の集まり(透けて赤く見える)。

萎縮…組織体積の縮小状態。

角化亢進…角化層の増加。通常は白斑。

水泡…浸出液の集まり。

腫瘤・腫瘍・腫脹…組織の限局した増大。境界が明瞭。

びらん…上皮の一部欠損。

潰瘍…上皮の全層欠損。

 

口腔粘膜病変の症状は、お互いに変化しやすく、最終的には潰瘍に収束す

る傾向にある。

→もっとも典型的な病変を知る必要がある …そのためには、詳細

 な問診や粘膜の変化の精査が必要。

 

 

Point, 発症状況をみる

発症状況には  ①口腔粘膜に限局した固有の病変

        ②皮膚疾患や他部位の粘膜(眼、外陰部、咽頭、食道

         など)の病変と関連した病変

        ③内臓疾患など全身疾患の部分症状

などの種類があげられる。

                

経過、自覚症状、既往症、服薬状況などの情報を得ること

によっても発症状況の判断が可能。

 

赤い舌…シェーグレン症候群の口腔乾燥症からくる舌乳頭の萎縮による

    赤い平らな舌。全身疾患の部分症状。

黒い舌…舌の黒色の変化(黒色斑)。生検による病理組織学的所見は

    メラニン色素沈着症となった。

角化からくる白斑…白色を示す舌の病変。最終診断は口腔に限局する

         扁平苔癬となった。

(扁平苔癬は他部位の粘膜にも発症する)

頬粘膜の黄色い隆起…皮膚の皮脂腺が異所性に口腔粘膜に生じたフォー

         ダイス斑と関連した黄色変化。治療の必要はない。

口底の隆起…下顎左側の骨様硬を示す隆起。診断は下顎隆起となった。

      為害作用がある場合切除される。

歯肉の白斑…上顎右頬側歯肉の白斑。白板症と診断され、数年後に

      悪性化(扁平上皮癌)に移行。

 

 

【感想・考察】

   日々の診療の中で、口腔粘膜の異常を訴える方は少なくありません。

大半は擦過傷であったりアフタであったりと時間の経過とともに自然

治癒していく場合が多いですが、口腔の変化や病変は時として全身疾患の部分症状としてみられることもあります。

患者さんご本人以上に口腔内をよく目にする機会のある私たちDHが、いち早くその変化に気付いていくことが大切だと感じました。

先月のミーティングで「メインテナンスでの口腔がん診査」について

とりあげられていましたので、それと合わせて今回のレポートの内容を頭におき、診療にのぞんでいきたいと思います。

                      衛生士 西内寛恵

 

  2012/05/06   ふくだ歯科
タグ:口腔粘膜