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スタッフレポート

医療安全研修会

令和元年度 歯科医療安全研修会 に参加して

有病高齢者の安心安全な歯科医療を実現するためのリスクマネジメント

九州歯科大学 リスクマネジメント歯科学分野教授 大渡凡人先生

◆人はだれでも年を取ります…我が国における高齢化率は進行中→56年間で急上昇

 ・人口高齢化(少子高齢化)は世界で進行している

  ・我が国の人口高齢化は(少子高齢化)は特に著しく、今後も世界一である

  ・我が国における人口高齢化の影響が大きい理由のひとつは、そのスピードが他の先進国に比例して

   非常に速いことである 

◆人口高齢化は歯科医療にとって何が問題なのか

  ・歯科医療従事者は「口から食べることを可能にして、患者さんの健康に貢献する」を目指している

   →高齢者は口腔疾患が複雑であるだけでなく、全身疾患をもつ高齢者が増えて、安全の確保が容易

    ではなくなってきたことにある

    例えば、在宅高齢者は重篤な全身疾患をもつ場合が多く、抜歯等でも安全確保が難しい

◆有病高齢者の歯科医療では何に注意すべきか…どの疾患,偶発症に優先的に対応すべき?

  →全身的偶発症として循環器疾患が多い

   …その中でも、①高血圧性危機 ②不整脈 に注意が必要である

◆歯科治療における死亡事故はどうなっているのか

  →局所麻酔関連が多いというデータがある

◆全身疾患を有する高齢者のリスクマネジメント

 安全な歯科治療とは…

  ステップ1:予防

   「病歴・薬剤」「医師からの情報(コンサルテーション)」「理学的検査」

        ↓

    「全身状態の評価」

        ↓

    「対策」…エビデンスに基づいたリスク低下の方法理論を考える

     →できるだけ正確な情報を得る

   ステップ2:早期発見(治療中のモニタリングなど)

    →できるだけ早く対応する

    ステップ3:対応(救急蘇生・薬剤・救急外来への搬送など)

     →専門の方にお願いする…患者を引き継ぐまでの橋渡しの役割を果たす

      必ずお薬手帳を見せてもらい、承諾を得てコピーを取る

     …口頭・自筆による薬剤情報は薬剤名の間違い、 不足など正確でないことが多い為

◆全身状態の把握と対応―まとめ―

 ◇リスクマネジメントで最も重要なのは予防である

  ◇正しい予防には全身状態の把握が必須である

  ◇そのためには正確な患者情報が必要である

 ◇患者情報としては病歴、薬剤情報、医師からの情報、理学検査などがある

  ◇我々は患者情報を正しく理解し、適切なマネジメントを組み立てることができる医学的な知識を

   持つ必要がある

◆高血圧 

 全身疾患を持つ高齢者の歯科治療における血圧変化

  …多くの場合、血圧は上昇する

   ex.抜歯を予定していた高齢者の患者さん

   →抜歯をする前に待合室で心筋梗塞を発症し、死亡した例もある

   …心配だけで血圧は上がってしまう

 高血圧により発症する全身疾患は重篤なものが多い  

  高血圧性腎症、高血圧性脳症、脳梗塞、くも膜下出血、

  脳内出血、心筋梗塞、大動脈解離、大動脈瘤破裂←死に至る可能性が著しく高い

◆治療中に血圧が上昇したら…

 ■疼痛治療を行う→局所麻酔の追加投与など…ある程度有効 

 ■深呼吸をしてもらう(ゆっくり)    …〃

 ■尿意を確かめる(特に男性高齢者)   …〃

 □(降圧剤投与・静脈内鎮静法)…低血圧リスクがある・経験が必要

◆高齢高血圧患者のリスクマネジメント

 ●高血圧性危機は脳幹出血や大動脈瘤破裂など致死的な病態を招きうる

 ●隠れた高血圧を見逃さない→すべての患者で血圧を測定する

 ●治療前・治療中の高血圧では≧180/120mmHgを避ける必要がある

  →モニタリングと血圧コントロールが必要

 ●異常な血圧上昇時は、治療をやめ、疼痛を抑制し、深呼吸をゆっくり行わせる

 (※降圧剤使用は低血圧のリスクがある)

 ●異常な血圧上昇に、胸痛(27%)、呼吸困難(22%)、

   神経脱落症状(片麻痺、意識障害など、21%)、を伴う場合は高血圧緊急症の可能性が高い

   …救急対応が可能な医療機関に連絡し、指示に従う

 

【感想・考察】

高血圧についてある程度知っているつもりでしたが、それがどんな影響を及ぼすかなど分かっていない

ことも多く、改めて知る良い機会となりました。来院される患者さんの中にも抜歯などで「ドキドキ

する」と治療を中断した方もいらっしゃいましたが、上手に声掛け出来ず悩むこともあった為、治療中

に血圧が上昇した時の対処法を知ることが出来て良かったです。心配だけでも血圧が上がってしまうと

のことですので、もちろん注意点や危険性は伝えるべきですが、感情面で負担になりすぎないように

配慮する必要性を感じました。また、患者さん本人だけでなくご家族にも、あまり消極的にとらえるの

ではなく積極的な見方が出来るよう、ご自宅にいるときから気にかけて下さるようにお知らせする必要

もあるのかなと思いました。

                                                                       衛生士 河本

  2020/07/01   ふくだ歯科

平成30年度 歯科医療安全研修会に参加して

「歯科における感染対策とマニュアルについて」

歯科領域における医療安全

◆標準予防策の実施

◆抗体価検査・予防接種(医療従事者、研修生、学生など) 

 B型肝炎、麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎、インフルエンザ

◆針刺し、切創対策

  針捨てBOXを設置、安全装置付き機材を使用、危険物の分別を徹底

◆院内感染防止マニュアルの作成、定期的に見直し改定

◆スタッフへの研修会を実施

 

感染対策の不備による経営への影響

1.保健所の立ち入り検査、改善指導

 ◇院内感染対策指針・マニュアルの確認

 ◇整備されていない場合

  新規開業時は開設が認められないケースあり

  作成するように指導を受ける

2.医療事故・訴訟のリスク

 ◇院内感染発生時は診療所の評判を落とすことにつながることがあり、 感染した患者が診療所に

  対して、損害賠償を求める医療訴訟も増加している

 ◇スタッフの安全を脅かす(スタッフからの医療訴訟)

  スタッフの定着率の低下

 

感染対策の基本

 標準予防策(Standard Precaution)スタンダード プリコーション

 すべての人の湿性生体物質(血液・体液・汗を除く分泌物・排泄物・唾液・創傷のある皮膚・粘膜)

 は、病原体を含んでいる可能性があり常に感染の可能性がある

 

問診表の感染症情報は正しいのか?

・多くの患者は感染症を持っているのか知らない

・HIVの場合、申告しない患者が多い

・我が国では、C型肝炎やHIV、梅毒が増加している

 

標準予防策の遵守

 手指衛生の徹底…適切なタイミングで適切な方法

 →アルコール手指消毒、石けんによる手洗い

 適切な防護具の着脱…曝露のリスクに対する防護具の選択と適切な着脱

  →エプロン・ガウン、手袋、マスク、ゴーグル

  *目は粘膜なので感染のリスク多

 

手指衛生(手指消毒・手洗い)

*手に目で見て汚れがない場合…擦式消毒用アルコール製剤で手指消毒

*手に汚れがある場合…流水と石けんで手洗い

 ・手洗いより、手指消毒の方が滅菌効果が高い

 ・手洗いより、手指消毒の方が手に優しい…保湿成分あり

 ・手洗いより、手指消毒の方がアクセスが良い

 手指消毒…どこでも使える、洗い場まで行かなくて良い

 

手指衛生のタイミング

◇治療の前後

◇手袋を着用する前と手袋を外した後

◇歯科治療室や歯科技工室から離れる前

◇汚染された可能性のある環境表面や機器に触れた後

◇勤務に就く時、帰宅する時

◇食事やトイレの前後など

*迷ったら、手指衛生を行う習慣をつける

 →自分の手が不潔か清潔か考える…自分だけが安全ではいけない

   触ったところは全て不潔となってしまう

 

針刺し・切創予防策

  針刺しによる感染率

 HBV > HCV > HIV

  1~62%   1.8%    0.3%

 血中ウィルス感染症の感染経路

 ・経皮的曝露=針刺し切創事故

 ・経粘膜的曝露=眼粘膜、口腔粘膜など

 ・既存の創傷部位への曝露=あかぎれ、かさむけ

  リキャップに関連する事例

 ・リキャップ時に的が外れて刺傷

 ・リキャップ時に針がキャップを突き抜けて刺傷

 ・リキャップ後キャップが外れてしまい刺傷

 

歯科医院での針刺し・切創事例

 歯科医師の84%、コ・デンタルの72%が針刺し切創を経験

 歯科医師…診療時間中の針刺し切創が多く、器具使用中や交換時に多い

  コ・デンタル…診療時間後も多く片付け、器財洗浄・消毒時に発生

 世界的に歯科医師のB型肝炎発生率は「一般集団」より高く、米国6倍、ドイツ4倍、日本2.5倍と

 有意に高い。

 医療従事者の中でも歯科医師のHBV感染が最も多い。

 

発生後の対応

◆HBV(+)

 HBsヒト免疫グロブリン(HBIG)を48時間以内に注射。

 体内に侵入したHBウィルスをHBIGで中和排除することによりHBウィルス 感染を予防できる。

 HBsワクチンを事故直後~7日以内、1か月後、6か月後の3回投与。

◆HCV(+)

 専門医と相談。インターフェロンは推奨しない。抗ウィルス剤の内服投与。

 (一日約73,000円:8週間)

◆HIV(+)

 3剤併用による抗HIV療法、感染予防にも4週間行なう。

 針刺し切創後、1時間以内、遅くとも2時間以内に開始する。

◆梅毒トレポネーマ(+)

 ペニシリン系抗生剤の内服投与

 

滅菌法の概念

 無菌→生育可能な微生物が存在しない状態

 滅菌→微生物を殺滅し無菌状態とするプロセス

 

滅菌物の管理方法(保管・取り扱い)

・埃の多いところ(電気製品周り)、水周りを避ける

・滅菌バッグを破損させるような取り扱いをしない

 (折れ曲げる、輪ゴムでまとめる)

・バッグごとでも落としたら不潔

・濡れた(汗も)手で触らない

・濡れた痕跡のあるものは不潔物

・バッグにマジックインクなどで書かない…不潔になってしまうから

 (滅菌前にシール欄外のフィルム面に記入)

 

滅菌器使用の原則

・滅菌する器材は十分洗浄する

・器材を十分乾燥させる(濡れている器材は滅菌できない)

・積載量はチャンバーの70%以内

・滅菌物を積み重ねない

・滅菌バッグはフィルム面を上に

・乾燥不良は再滅菌が必要

 乾燥不良の原因→過積載、乾燥時間が短いなど

 

酸性水 (強/弱酸性水・電解水・イオン水・アクア水・機能水)

・環境消毒、器具消毒、創部・口腔内の消毒 

 低濃度の塩素による消毒法

 有機物が残存していると消毒効果は期待できない

 塩素濃度が低下するため保管できない 

 

【感想・考察】

今回の研修会・レポートを通して、普段何気なく行なっている手指消毒や滅菌について改めて考える

良い機会となったと思います。手指消毒のタイミングや滅菌物の取り扱いなどは特に勉強になり

ました。自分が今、不潔なのか清潔なのかというところを何気なくではなく、より意識して行なって

いく必要があると感じました。また、針刺しなどからの感染の危険も十分に考え、毎日の診療を、

慣れた作業ではなく、危機管理意識を持って取り組んでいきたいと思います。

                            衛生士   河本

  2019/07/24   ふくだ歯科

歯科医療安全研修会を受講して

〈苦情・クレームの対応〉

苦情、クレームが起こる原因として、医療者側と患者側での理解の食い違いなどがあげられ、患者さん

は期待と実際の治療内容・結果のギャップに不満を感じ、そこからクレームに発展する場合がある。

そのギャップを認識し対応、解決することが重要であるが、これらは患者さんへのインフォームドコン

セント(説明に対する理解と同意)が不十分であることが原因であり、クレームの防止、対応のためには

患者さんとのコミュニケーションが必要となる。しかし、ここまでではあくまでも単なるクレーム処理

にすぎず、重要なのはそのクレーム情報を収集、分析し改善することである。

 

1.患者さんとコミュニケーションを取る上でのポイント

  ・コミュニケーションの種類

    コミュニケーションには話す言葉そのものの意味である言語的コミュニケーションと、表情、

    見た目、仕草、表情、声の早さ、大きさなどの非言語的コミュニケーションがある。

    ⇒非言語的コミュニケーションは無意識に出てしまうためクレーム対応時には特に注意する

   ・心配りのある話し方を意識する

    ⇒・気持ちを和らげるひと言 ex)よろしければ、失礼ですが など

  ・相手の自己決定権を大事にした言葉 ex)~していただけますか?

     ・肯定的な言い方 ex)そちらでしないでください→こちらでお願いします

     ・医療従事者が優位であるかのように感じさせる表現を避ける

     ※病院は指示が多く「動かないで」などこのように言いがち

    忙しくても、感謝の気持ちを入れた言葉を使うように心がけることが大切。

 

2.インフォームドコンセントにおけるポイント

  ・説明用語はわかりやすく

    ⇒勝手な解釈、思い込み、意味の取り違えの無いようわかりやすい言葉で

   ・積極的に確認を

     ⇒伝えただけで安心してはいけない。必ず『何が伝わったのか』を確かめる。院長の説明のあと、

            DHからも確認を行うなどチームでフォローしあうとより良い。その際、「分かりましたか?」

            のような上から目線の質問には「わかりません」とは言いづらいため、「何か気になることは

            ありませんか?」のような患者さんに投げかける言葉で質問するのが好ましい。

       ※患者さんとの間に理解のズレが生じやすいことを肝に銘じ、常に確認を怠らないことが、苦情、

           クレームさらには医療事故を防ぐ1番のポイントとなる。

3.クレームに発展させないために

   ・医療従事者の常識と患者さんの常識は同じではないということを理解する

   ・相手や自分の非言語的コミュニケーションに注意する

   ・接遇は自分の身を守る手段の1つである

  ⇒接遇とは快適な空間でおもてなしの心を表すこと。何か起きたときにまずは患者さんに不快な思い

        をさせてしまったことに対して謝罪をすることで、クレームを防ぎ自分を守ることにも繋がる。

 

〈悪質クレームの対応〉

1. 悪質クレームの特徴

  ・要求内容と要求方法

   (1) 法外、過大、でたらめ、無理難題な要求内容

   (2) 暴力的、威圧的、妄執的、恐喝的言動による要求方法

  ・その他の行動態様

   (1)1日に何度も電話をしてくる、連日電話をしてくる、電話を切らせない

   (2)院内で大声や罵詈雑言、医師やスタッフに激昂、乱暴な言葉を投げつける

   (3)身体的暴力をふるう など

   これらの行動が見られる場合はクレームではなく悪質クレームである。

2.悪質クレームに対する基本姿勢

   悪質クレーマーは、相手を怖がらせ優位に立とうとし短期戦に持ち込むことが多い  

 ⇒持続性がなく、長期戦に弱い

       そのため、「受け身」と「粘り腰」の対応が重要である。

    ・目的は撃退ではなくこの事態を乗り切ること

    ・過度な反応(驚いたりおびえる素振り)をしない

    ・相手と正対し、目線を合わせる

    ・同意も反論もせず相手をかわす

    ・相手の沈黙には更なる沈黙で応える

    ・態度が悪い、教育がなっていないなどの二次クレームを発生させない

    など、相手の土俵に乗らないことが大切。

3.悪質クレーム・暴言・暴力には組織対応を

    ・スタッフ間で暴言、暴力の情報を共有し、再発防止に努める

    ・スタッフごとの回答、対応のバラつきの防止

    ・改善策、対応策を組織で検討する

    ・1人に対応を任せきりにせず、メンタル面のサポートを

  1人でいる時にそのような事態が発生した場合は

   ・何も言わずにその場を離れない

   ・背を向けない

   ・時間をおく(落ち着かせる)

   ・1人でどうにかしない

【まとめ】

 歯科衛生士は患者さんに近い存在なので、患者さんの不安、不満を少しでも減らせるように意識して

   行動し  ていくことが大切だと感じました。また、最近では悪質クレーマーによる事件も頻繁に起き

   ています。傷害事件に発展しているケースもあるので、自分の身を守るためにも正しい対応を身に

   つけておこうと思います。

                        衛生士 星島

  2017/06/12   ふくだ歯科

平成27年度歯科医療安全研修会に参加して

「職業感染の観点から見た血液媒介性感染症の知識と予防策」

   ―はじめに-

 医療従事者には、患者などから感染を受けるリスクと自らが感染源となりうるリスクがある。一般に

血液媒介する病原体は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス

(HCV)が知られている。

感染源には血液以外に体液や生体組織があり、医療職業上の感染伝播経路として、針刺し、創傷面への

暴露、粘膜への暴露が問題となる。

1. スタンダードプリコーション

 標準予防策=「すべての患者の血液・体液(汗を除く)、分泌物、排泄物、粘膜、損傷した皮膚には

        感染の可能性がある」とみなし、患者や医療従事者による感染を予防するための予防

        策のこと

<よく問題となる感染症>

◎ 接触感染(経口感染も含む)

・ 感染性胃腸炎(ノロウイルス、腸管出血性大腸菌等)

・ メチシリン耐性黄色ブドウ球菌

◎ 飛沫感染

・ インフルエンザ

◎ 空気感染

・ 結核

◎ 血液を介した感染(血液媒介性感染症)

・ B型肝炎ウイルス

・ C型肝炎ウイルス

・ HIV(ヒト免疫不全ウイルス)

2. 肝臓の病気について

◎ A型肝炎

・ 経口感染

・ 潜伏期間:2~6週間

・ 発熱、吐き気、食欲不振、黄疸

◎ B型肝炎

 血液・性行為→70~80%が症状なく治る(残り20~30%も多くは急性期を経て治る)

  母子感染→80%がキャリア化→10%慢性化

◎ C型肝炎

  輸血・血液製剤→(75%)キャリア→C型慢性肝炎→(40%)肝硬変→肝がん

3. HIV/AIDSの臨床

 ◎ 後天性免疫不全症候群(AIDS)

      病原体:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)

      伝播様式:HIV感染者との性的接触、血液感染、母子感染

      治療、予防:抗HIV療法

            妊娠時の抗HIV薬服用による母子感染予防

            針刺し事故後の抗HIV薬服用による感染予防

  ◎ HIVの性質と感染経路

    ※感染力は弱く日常の集団生活では感染しない

       <体液>  血液、精液、膣分泌物、母乳

    ↓

         傷口や粘膜から侵入

        <感染経路> ① 性的接触 ② 血液 ③ 母子感染

   ◎ よく見られる口腔症状

    ・ 口腔カンジダ症、口腔乾燥症

    ・ エイズ指標悪性腫瘍の代表:カポジ肉腫

4. 血液暴露後の対応

     医療現場でのHIV暴露事故は現在も発生するが、適切な事故後の予防内服の実施(2時間以内、

       72時間以内)により暴露後HIV感染事例の報告は一度もない

   ◎ 針刺し、切創防止対策

        リキャップ禁止・針は使用後直ちに廃棄ボックスに入れる

        廃棄ボックスは8~9割程度で交換

    ◎ HIV暴露事故後の対応

    ・ 針刺しや鋭利な刃物で皮膚を受傷した場合

         →石鹸などを用いて流水で傷口を洗う。※傷口を吸ったりこすったりしてはいけない

    ・ 傷のない皮膚への飛散の場合

         →流水でその部位を洗う

    ・ 眼への飛散の場合

         →コンタクトをしている場合には洗う前に必ず外す

          石鹸は使わず、速やかに水か食塩水で洗う

<感想>

歯科医療安全研修会に参加して、感染対策について学ぶことができました。感染症にかかっている患者

さん全員が問診票に記入をしているとは限らず、患者さん本人も感染症にかかっていることに気付いて

いない場合もあるので感染予防策をしっかりとしていきたいと思いました。器具の消毒、滅菌なども

きちんと行っていきたいです。

                                                                                                                 衛生士  松本

  2016/09/11   ふくだ歯科

H.26年度 歯科医療安全研修会・HIV医療講習会に参加して②

医療安全の意義

 安全文化

  ◆食の安全、機械・機器の安全、運輸の安全、生活の安全、通信の安全、住居の安全など、安全

   管理は医療のみならず、全ての分野での基盤である。

   ◆安全管理なくして発展はない。

 医療安全管理体制のポイント

   ◆システム的な対策

   1.エラーを起こしにくい工夫

   2.何重もの対策

     ◇スイスチーズモデルを思い出せ!

     ◇エラーは「よりによって」で発生する!

       スイスチーズモデルとは=よりによってすり抜ける事故…いわゆる穴あきチーズ

         …事故の発生は通常、何層かの防御壁によって防がれているが、各層の防御壁に潜在

          的な穴が開いていたり、突発的に穴が開いてしまうことがあり、重大な事故は各層

          の穴が一直線上に並んだしまった際に起こると考えられる。

    3.エラーを未然に防ぐダブルチェック

   ◆エラーの予知…インシデント(ヒヤリハット)の収集

    ・ハインリッヒの法則から、インシデント(ヒヤリハット)の多発は重大な事故の前兆と考えら

               れるので、インシデントを積極的に収集し、対策を立てることが重要である。

                   ハインリッヒの法則 ・産業災害(労働災害)の事例の分析で用いられている法則で、1件

                   の重大事故の背景には29件の小事故が発生しており、さらにその背景には、ケガに至ら

                   なかったヒヤッとした300件の事例が存在している。

        ◆組織的な医療安全管理

            ・研修会の開催  ・情報、データの収集  ・指針、マニュアルの提示  ・指導

   医療事故の原因

       ◆ヒューマン・エラー(人に起因して起こるエラー)

       ◆医療技術・知識の低さ

       ◆コミュニケーション不足

           ・医療従事者-患者(インフォームドコンセントの不足)

           ・医療従事者-医療従事者(伝達ミスなど)

       ◆診療システムに起因

       ◆ネットワークに起因

       ◆施設・設備に起因

       ◆器械・器具に起因

   高齢者の特徴

       ◇予備力(心肺予備力)が低下している

       ◇全身疾患を有している割合が高い

       ◇常用薬の種類が多く、薬物療法の既往がある

       ◇在宅要介護者が増加している

   初診時の全身的な評価

       ◆全身状態(全身疾患を含む)の聴取

   ・心肺予備力:NYHA(ナイハ)分類、Hugh Jones(ヒュージョーンズ)分類、身体活動能力

   ・全身疾患(基礎疾患)

           ・アレルギーの有無

           ・以前の歯科治療時の全身偶発症の有無:問診

           ・妊娠の有無 ◆常用薬のチェック

        ◆内科主治医への対診(照会)

        ◆初診時の全身評価・検査

    身体活動能力による術前評価

        ◇心不全を有する高齢者の歯科診療に際し、患者の身体活動能力を評価し、身体活動能力が低い

            患者に対しては、歯科診療に伴って心臓合併症が発症するリスクがあるため、予定の歯科治療を

            中止あるいは延期し、内科主治医に対診する必要がある。

        ◇4METs(メッツ)の運動が耐え得ない患者は、手術時の心臓合併症の発症のリスクが高くなるため、

            身体活動能力の低下の程度と手術の内容とを対比し、十分な術前評価を行わなければならない。

                例えば 1METs→安静にしている状態

                         4~5METs→階段を休まず上れる

   予備力評価で患者を診る

       ◆歯科医院に歩いて通院できる患者の予備力は十分ある。

       ◆特に、2階の診療室まで、歩いて休まず上れる患者はまず大丈夫。(予備力がある)

                                     ↓

       ◆外来通院患者では重篤な全身的偶発症の発症率は低い。  

           しかし、

              ◇在宅要介護高齢者では、予備力の評価が難しい。

              ◇予備力の非常に低い患者がいる。

              ◇全身的偶発症の発症が増加する可能性がある

   バイタルサイン

   ・意識・呼吸・脈拍・血圧・体温

   バイタルサインの順番(心停止を想定する)

       意識がない→応援→呼吸していない→人工呼吸→脈拍がない→胸骨圧迫

     「意識」の有無

         ・意識がある→心臓は動いている(心停止はない)

         ・意識がない→心停止しているかもしれない…すぐ救命措置

         ・意識レベル→意識障害(何か変?)の有無…脳卒中の有無

    歯科に関連するアナフィラキシーの原因(アレルゲン)

        ◆抗菌薬・鎮痛薬

        ◆局所麻酔薬

        ◆歯科用局所麻酔剤の添加薬・添加物

        ◆消毒薬(クロルヘキシジン、イソジン)

        ◆他の材料(ラテックスなど)

    アナフィラキシーの症状

        ◇初期症状:死んでいくような不安な感じ、金属臭様の味、倒れそうな感じ、めまい間、発汗

        ◇皮膚・粘膜症状:紅斑、発赤、掻痒(ソウヨウ)、蕁麻疹、顔面浮腫、口唇及び舌の腫脹

        ◇循環器症状:血圧低下、不整脈、胸部絞扼感、循環虚脱

        ◇呼吸器症状:上気道浮腫、嗄声(サセイ)、喘鳴(ゼンメイ)、呼吸困難、気管支痙攣、

            wheezing{(ワィーズィング)…吸気時に聴診器なしで聞かれる異常呼吸音}、呼吸停止

        ◇鼻症状:鼻の掻痒、鼻閉、鼻水

        ◇消化器症状:悪心、嘔吐、腹痛、下痢

        ◇中枢神経症状:昏迷、意識消失、痙攣

    院内感染対策の基本

    ・感染を拡大させないための予防策を常に(どの患者に対しても)講じておく必要があり、感染源の

        消滅と感染経路を遮断することが院内感染対策の基本である。

    ・CDC(米国疾病管理予防センター)が提唱した「スタンダード・プリコーションズ」が広く用い

        られている。

            スタンダード・プリコーションズ(標準予防策)

                ◆感染症に罹患している患者とそうでない患者を区別することなく、すべての患者に対し、

                    標準的に講じる疾患非特異的な感染対策の基本的指針である。

                ◆手指衛生が重視されており、手指衛生を十分に行なうことで医療従事者自身を感染から

                    守ると同時に、感染を伝播させない。

    滅菌と消毒

        滅菌:いかなる形態の微生物生命をも完全に排除または死滅させる。器具等の滅菌には、

                   高圧蒸気滅菌が適用されることが多い。

        消毒:ほとんどの細菌、ウィルスを死滅させるが、芽胞は存在する。           

                   アルコール製剤が使用されることが多い。

                   血液などによる汚染には、0.1%次亜塩素酸ナトリウム液(金属の腐食に注意)を

      使用する。

   手指衛生

       CDC(米国疾病管理予防センター)は、医療従事者の手指衛生には、従来の石けんと流水による

       ものから、アルコールベースの速乾性擦式手指消毒剤の使用を第一選択として勧告している。

       〈速乾性擦式手指消毒剤による手指消毒〉

           ・速乾性擦式手指消毒剤を2~3mlとり、手指全体に薬液が十分に行き渡る様にし、乾燥する

               まで擦り込む。

           ・より清潔が求められる処置をする前には、石けんで洗い、手を十分乾燥させた後、速乾性擦式

               手指消毒剤を使用する。

           ・手袋を外した後も、速乾性擦式手指消毒剤による擦式手指消毒が勧められている。

【感想・考察】

   前回の講習会レポートに続き、今回は同日講演の第2部をまとめることが出来ました。講演では、

   想像していた内容とは趣を異にして、高齢者の特徴と予備力という観点を取り上げており、大変興味

   深かったです。患者さんとの会話や問診から主訴や口腔状態、生活環境等をお聞きするのみならず、

   来院方法や来院時のご様子から予備力までをも読み取っていく、これが医療における安全に繋がって

   いくのだなと感じました。また、「歯科」という言葉だけにとどまらず、患者さんの全身状態を

 『知る』ことが、「早期発見・早期治療」などといった患者さんの安心を引き出すことにもなるのでは

   と改めて考えさせられました。

                                                                                                                                    衛生士 河本

  2015/09/06   ふくだ歯科

H.26年度 歯科医療安全研修会・HIV医療講習会に参加して

HIV医療講習会講演「歯科診療時の院内感染対策」 則安俊昭先生

歯科診療時の院内感染対策

 一般的な感染経路(進入経路)

  経口(食中毒、糞口感染)

   感染性胃腸炎、腸管出血性大腸菌感染症、赤痢、アメーバ赤痢、A型感染症 など

  経気道

   麻しん、インフルエンザ、結核、感冒 など

  粘膜

   流行性結核炎、りん病、梅毒、性器クラミジア、(エイズ(HIV)、B・C型肝炎)など

  創傷(血液感染)←→皮膚は強力なバリア

   エイズ(HIV)、B・C型肝炎 など…なんでも

  スタンダードプリコーション(標準予防策)

   湿性生体物質(血液・体液〔汗は除く〕・分泌物排泄物)、粘膜、損傷のある皮膚は、何らかの

   病原体を持っている可能性があることを前提に行う予防策

     標準的な予防策

    1.「1ケア1手洗い(ウォッシュ)、「ケア前後の手洗い」

      ・汚れがあれば、流水と(液体)石けん

      ・汚れがなければ、擦式アルコールで手指消毒

      <禁止> ・ベースン法(浸漬法、溜まり水) ・共用タオル

    2.防護用品:手袋、エプロン、ガウン、マスク等、汚染の可能性に応じて

            3.針刺し、切創事故防止(医療従事者の感染防止)

                       リキャップ禁止、直ちに廃棄ボックスへ

                           (どうしてもリキャップしなければいけない時は片手法で)

            4.従事者自身も感染源

                       鼻腔、咽頭、創部にはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が存在

                       指輪、腕時計、爪、マニキュア…

                       咳エチケット(必要に応じマスク着用)

                            →※咳・くしゃみの際はティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ

                                   1m以上離れる。

                                ※鼻汁・痰などを含んだティッシュをすぐに蓋付きのごみ箱に捨てられる環境を

                                    整える。

                                ※咳をしている人にマスクの着用を促す。

                                    咳をしている場合、周りの方にうつさないために、マスクを着用する。

                                ※マスクの使用は説明書を読んで、正しく着用する。

              5.環境の清浄化

                         汚染は速やかに除去

                         床よりも高頻度接触部位の消毒(撤去)…ベッド柵、ドアノブ、手すり、のれん等

              6.異変を早期に察知して対策を

                         2週間以上の咳…結核を意識

                          発熱、嘔吐、下痢患者の多発など(入院施設院内感染など)

   B型・C型肝炎ウィルス(=感染力強い)の感染経路

     ●血液感染

     ◇注射針・注射器を肝炎ウィルスに感染している人と共用

       …麻薬・刺青・歯科処置等において滅菌不十分な場合

     ◇血液を傷のある手で触ったり、針刺し事故を起こした場合

     ◇歯ブラシ・ひげそりの共用 ◇B型肝炎ウィルスに感染している人と性交渉をもった場合

               ◇B型肝炎ウィルスに感染している母親から生まれた子に対して適切な母子感染予防措置を

                   講じなかった場合(ワクチン接種などで防げる)

               ※日常生活でうつることはまずありません。

           エイズ 後天性免疫不全症候群

     HIV(人免疫不全ウィルス)が、免疫のしくみの中心であるヘルパーTリンパ球

             (CD4細胞)という白血球に感染し、次第に免疫を破壊する。

                自覚症状のない時期(無症候期)が数年続き、その後、免疫が低下してしまうと、本来なら

                自分の力で抑えることのできる病気(日和見感染や悪性新生物など)を、発症するように

                なる。 HIVは、感染力の弱いウィルスです。

              【感染経路】

                     ◆性行為…HIVは主に血液や精液、膣分泌液に多く含まれ、感染者の血液・精液・膣分

                                       泌液から、その性行為の相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口を通って感染

                                       する。 コンドームの正しい使用は、予防に有効な手段。

                     ◆血液感染…針刺し事故、“回しうち”による注射器具の共用など

                     ◆母子感染…HIV治療薬の服用や母乳を与えないことで、予防可能

                                        (感染を1%以下に)

                      ※性感染症(クラミジアなど)を発症しているとエイズにかかりやすくなる。

まとめ

  感染力や感染経路をよく理解して正しく警戒する。

  恐れすぎず、侮らずやるべきことを確実に行う。

 みんな一人ひとりがかけがえのない人。

  感染症はその人の付帯状況であり、人格を尊重し、正しく対応すべき。

      ↓

 プロとして正しい知識と適切な対応を。

  ※診療拒否が起こらないようにすべき

  ※B型肝炎ウィルス、HIVを完全に排除することは出来ない

     ※感染力…HBV>HIV

【感想・まとめ】

 今回のこの講習会の話から、改めて自分の考えや気持ちを調整することが出来たように思います。

 もちろん知っていることや医院として行なっていることも多くありましたが、段々と“慣れ”から見え

 なくなっている部分もあると思いますので、自分が今までどう考え、どのように行なってきたかを

 振り返るきっかけになったと思います。感染しないこと、感染させないことに十分気を付ける必要は

 ありますが、過度に恐れることなく、日々の診療を行なっていけたらと思いました。

                                      衛生士 河本

  2015/06/03   ふくだ歯科

平成25年度 岡山県歯科医師会医療安全研修会に参加して

ヒューマンエラーと医療安全

      損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント(株)  橋本 勝先生

 

1.医療リスクマネジメント概論

  ★医療の質・安全の契機となった医療事故

     ex)京都大学病院事件

  ★“To error is human“

   ☆年間4万4千人~9万8千人の患者が医療事故により死亡

   ☆交通事故やエイズよりもアメリカ人の死因の大きな割合を占める

   ☆投薬ミスによる死亡者数も、年間約7千人に上る

  ★歯科診療における賠償事故の特徴

 

2.患者さんとのコミュニケーションの重要性

  ★歯科における医療事故の事例

  ★苦情発生の一例

  ★苦情発生の下地

    ☆治療期間の延長について納得いただいていますか?

    ☆適切な説明無しに時間を守っている患者さんをお待たせしていませんか?

    ☆会計上のトラブルはありませんでしたか?

    ☆専門用語を使わずに患者さんに病状を説明していますか?

    ☆患者さんの不満・悩みを聞き流していませんか?

        ⇒知らず知らずのうちに、苦情発生の下地を作っているかもしれません

   *2011年受療行動調査(厚生労働省)

     医師から受けた説明に対する疑問や意見

      →13.7% 十分に伝えられなかった

            理由:質問しにくい雰囲気だった

               的外れな疑問や意見のような気がした など

  ★伝えたこと≠伝わったこと

     コミュニケーションのズレが原因のことが多い

      (勝手な解釈、思い込み、意味の取り違え)

★説明時の状況を記録に残す

     【記載項目】

       ・説明時間(○時○分~△時△分)

       ・説明時の内容、様子を再現できるくらい

         患者さん側からの質問と、それに対する医療側の回答

         患者さん側の反応等(うなずいていた、メモをとっていた等)

       ・質問が無ければ

          「質問の有無を尋ねたが、質問が無かった」と記載

    ☆記載時の注意点

①前もって、これから行う処置やケアを記録しない

②自分が実際に見ていない患者さんの記録をしない

③記録の途中で行を空けない →書き忘れ等の誤解を与える                                                  ④思考過程が見えない、行動(実践)につながらない書きっぱなしの情報・アセスメント、は適切ではない                         ⑤勝手に要約しない…言った通りに書いておく                                               ⑥擦ると消えるボールペンは使用しない、職場におかない

    ☆説明用語はわかりやすいですか?

    ☆コミュニケーションの種類

     ・バーバルコミュニケーション(言語的コミュニケーション)

     ・ノンバーバルコミュニケーション(非言語的コミュニケーション)

    ☆良い話し手とは

     ・相手(目や顎など)を見て、ゆっくり話す

       →信頼関係の構築

     ・身近なものに例えて、分かりやすい言葉を使って話す

       →写真や絵を使用(イメージの共有)

     ・相手の理解するペースに合わせて話す

       →相手のノンバーバルに注視(うなずきのリズム、視線の先 等等)

     ・「常識」「共通認識」を捨てる

       →「自分の常識」=「相手の常識」と思わない

 *コミュニケーションはずれやすいことを肝に銘じ、常に確認を怠らないこと!

   →医療事故や訴訟、クレームを防ぐ1番のポイントとなる

〔まとめ〕クレームに発展させないために

  ◎医療者の常識≠患者、家族の常識

  ◎相手・自分のノンバーバルコミュニケーションに要注意

  ◎接遇は自分の身を守る1つの手段

 

3.ヒューマンエラーと医療事故

  ★医療事故の発生要因

   1位 確認を怠った→「確認をきちんとする」

   2位 観察を怠った→  「観察を怠らない」・・・でいいのでしょうか?

   ①関心のあるものに注意が向く

   ②強い注意が向けば、その範囲が狭くなる

   ③注意力は持続できない

   ④強い注意の後に弛緩がくる

     ⇒注意にも限度がある⇒システムによるエラー対策!! 

  ★安全意識低減の法則

    ・安全意識は、事故が発生しない限り単調に減少する

       →安全状態が続くほど安全意識が低下し事故発生の準備が整う

★偽りの記憶

・記憶に頼った作業には、虚記憶の入り込む余地がたくさんある →薬品やカルテの記載事項、医療用具の有無などの確認は、記憶に頼らず、現物を前にして目で見ながら確認しなければならない                                                         *個々の確認精度を上げる方法                                                                   ○指差し確認を行う                                                                       ○確認済みのものと未確認のものの区別を明確にする                                                ○ゆっくり確認する                                                                     ○誰が確認したかが分かるようにする                                                      ○中断しない                                                                             ○複数で行う場合は役割分担を明確にする                                                       ★危険感受性                                                                       一般の大学生と看護学生に対して行ったテスト結果                                                    目に見えない危険に関しては看護学生のほうが気付いたが、目に見える危険に関しては一般学生のほうがたくさん気付いた                                                                          ⇒専門的な知識や経験が増すと、一般の人が危ないと思うような当たり前の目に見える危険に対する意識はおろそかになっていく可能性を示唆                                                              ★錯誤                                                                              新人の行動:意識的に注意しながら行動する                                                    ⇒意識しすぎると他に注意がいかなくなり、上手く実行できなくなる                                         ベテランの行動:体に刷り込まれていて意識せず(無意識)に何かのきっかけで行動する                                        ⇒普段と異なる作業変更なのに、普段どおり作業してしまう                                             ★同じエラーが繰り返されるときは…                                                           何が起きたのか⇒調査・確認⇒分析⇒システムへの対策立案                                          →ヒューマンエラーの追及の前にシステムの問題に目を向ける                                           〔まとめ〕ヒューマンエラーと医療事故                                                         ◎ヒューマンエラーを0にすることは難しいが、減らすことは可能                                       ◎慌てているときは、事故が発生しやすいという意識を持つ                                               ◎エラー情報(知識・経験)の共有                                                            ◎ヒヤリ・ハット段階で対策を実行し、事故に至らないようにする                                      《感想・考察》                                                                         医療事故の発生要因の大半は”確認を怠った””観察を怠った”という小さなミスです。                               どんなに注意していても「人は誰でも間違える」ということを理解した上で、エラーの発生率を極力低くし、事故を未然に防げるよう常に意識して診療に臨みたいと思います。                 衛生士 西内                                                                                         

  2014/04/23   ふくだ歯科

平成24年度歯科医療安全研修会に参加して

「歯科治療時における全身管理~偶発症も含む~」

 

 

効果的なバイタルサインの把握

歯科治療に際して、患者各位の安全性を確保するためには、バイタルサインの基幹である血圧/脈拍の数値と循環機能との関係を理解することが不可欠である。

 

 

☆血圧

※収縮期血圧180mmHg以上、拡張期血圧110mmHgは歯科治療中止

 

平均血圧=最低血圧×(最高血圧-最低血圧)/3

平均血圧は50~150mmHgを保つ

     平均血圧が150mmHg以上…椅子を起こして頭を高くし安静にする

     平均血圧が50mmHg以下…頭を低くして、脳に酸素を送る

 

 

☆脈拍

橈骨動脈の触診

手関節の橈骨(親指)を走行している動脈

 

心拍数は50~100回/分に保つ

    心拍数が100回/分以上…心臓の酸素が不足

    心拍数が50回/分以下…脳の酸素が不足

 

 

☆RPP

RPP…心拍血圧積

心臓が必要とする酸素量をあらわす

RPP=最高血圧(収縮期血圧)×心拍数

正常範囲は7,000~12,000

14,000以上の場合は歯科治療中止、または降圧・脈拍の制御が必要

 

 

☆酸素飽和度

健康成人の酸素飽和度は99~98%

酸素飽和度が94%以下では循環/呼吸状態のチェックが必要で、

酸素吸入などの処置が必要

 

チアノーゼ…皮膚や粘膜が青紫色になった状態のこと

 

パルオキシメーターは酸素飽和度が非侵襲的に計測できるため、

低酸素状態を早期に検出することが可能

 

 

まとめ・感想

今回、歯科医療安全研修会にして、患者さんの現在の健康状態を把握し、起こりうる問題を予想し、

予防することがいかに重要であるかを再確認しました。

バイタルサインは患者さんの現状の把握をするために必要不可欠であり、万が一の緊急事態を予知・回避

することが可能です。歯科診療では死に直結する場面は少ないですが、私たち歯科衛生士も医療従事者

として基本的な医療知識を身に付けていかなければならないなと思いました。

                                                          衛生士 関口

 

  2013/03/06   ふくだ歯科