スタッフレポート

2019年7月14日

コミュニケーション術について、勉強会で発表して

《 患者さんの心を動かせるようになれば一人前 》

 歯周病は生活習慣病の色合いの強い疾患なため患者さん自身の日々の管理が最も大切な要因になり

 ます。 初対面の患者さんはかなり緊張していますし、相手がどんな人か探りを入れながら会話をする 

 ことになります。いきなりブラッシングの話をしてもテクニックを伝えるだけになってしまいます。

  そんな時、ひとことふたこと治療とは関係のない話や共通の話題などを間に挟むだけで、患者さんの

 緊張を解きほぐすのに効果的なことがあります。 また、以前から定期検診に来られている患者さん

 に、初めて担当が回っていたときには案外大きな落とし穴があります。 患者さんは治療には慣れて

 いますが、新しい歯科衛生士さんには慣れていません。こんな時にいきなり「プラークがたくさん

 残っていますよ!」というような患者さんを説教することから話始めると患者さんは心の扉を閉ざし

 てしまいます。最初に心を閉ざしてしまった患者さんの扉を開けることは容易ではありません。

 プラークコントロールはいつもと同じかもしれませんし、前回はもっとひどかったのに今回はその人

 なりに頑張ってきたのかもしれません。我々はどうしても自分の物差しで他人を評価してしまいがち

 ですが、プラークコントロールは患者さんのペースやレベルに合わせる余裕が必要です。

 

《習慣変容までの道のり》

  人の習慣を変えることはかなり難しいことです。 モチベーションのゴールはブラッシングのテク

 ニックを身につけることではなく、そのテクニックを含めてブラッシングという習慣が生活習慣の

 一部になることです。 歯科衛生士に言われて習慣が変わらないのは、まずその必要性や重要性に気づ

 いていないからです。つまり考え方が変わっていないわけです。このように習慣を変えるためには

 考え方が変わり、行動が変わり、その行動に満足してはじめて習慣が定着していきます。

 

《ポジティブアプローチ》

 「これをするとこのように健康になる。」というアプローチの仕方で患者さんの健康志向が生まれる

 と効果は長続きします。 また一度にたくさんのことを教えても結局何も伝わっていないことがあり

 ます。ポイントを絞って指導するようにすれば、成果もわかりやすく、次の指導に繋がります。 同じ

 内容のことを伝える場合でも、使う言葉によって伝わり方はずいぶん変わります。例えば、「磨き

 すぎです」を「がんばりすぎです」に変えるだけで、よくしようとしているのが裏目に出ていると

 いう、少しプラスのイメージに繋がります。 「ここにプラークがたくさん残っていますよ」ではなく

 「ここのブラッシングが苦手なようですね。」に変えるだけで患者さんの受け取り方も変わってくる

 はずです。このように『使う言葉を選ぶ』ことは、想像以上にコミュニケーションに影響するの

 です。

 

《感想》

 今まで実習生として患者さんに関わってきたけれど、働き始めて、改めて 歯科衛生士のコミュニケー

 ション力の重要さに気づきました。言葉選びや言葉の伝え方ひとつひとつ大切なので、患者さんに

 不快感を与えないようにしていきたいと思います。 また患者さんに伝えられることができるのはもち

 ろんのこと、患者さんに寄り添って聴き上手になれるように知識を増やしたいと思います。

                          衛生士 藤元

  2019/07/14   ふくだ歯科