スタッフレポート

2018年1月3日

「フロス指導について」勉強会で発表して

フロスが推奨されるケース

・バス法を指導した患者さん

→バス法は頬舌側の歯頚部には毛先が届きやすいが隣接面には届きにくい。

・叢 生歯列の患者さん

→ブラシの毛先が歯間部届きにくく歯間乳頭が不潔になりやすい。う蝕や歯周病のリスクが高まる

・AB間またはDE間に空隙がない小児患者

→ 乳歯列のう蝕好発部位は上顎乳前歯部と乳臼歯部の隣接面です。

・隣接面のう蝕リスクが高い患者さん

→フッ化物配合歯磨剤をフロスにつけ歯間に挿入すると隣接面にフッ化物が効果的に送達される。

指導のコツ

1. 隣接面以外でもフロスで磨く部位であることを伝える

う蝕や歯周病予防には隣接面だけではなく、歯間乳頭付近や歯肉溝もフロスで磨く必要があることを

伝えましょう。隙間にフロスを潜り込ませるようにして磨く

2. 斜めに動かしながら歯間に挿入する

フロスを押し込んで挿入するとコンタクトポイントを通過した際に勢いあまって歯間乳頭あたりの歯肉

を傷つけかねない。歯肉退縮の原因にもなるのでフロスを咬合面に対して斜めになるようにあて、

のこぎりを引くようにゆっくりと挿入するよう指導する

3.「押し込む」のではなく「かき出す!」

歯冠から歯根方向へフロスを動かして磨くのは歯茎を傷つける恐れがあるほかプラークを歯肉縁下に

押し込むことになってしまいます。磨く面のフロスを歯根側から歯冠側へプラークをかき出すように

動かす。

4.隣接面を4面に分けて磨く 1つの隣接面を「舌側遠心」「舌側近心」「頬側遠心」「頬側近心」

に分けて磨くただ歯冠に通すだけでは食物残渣は除去できてもプラークは除去できないことを強調し

フロスも歯ブラシと同じように歯面を磨くものだと認識してもらいましょう。

患者さんが感じる“負担”が“メリット”を上回っていませんか?

フロス使用が効果を上げるには患者さんに正しい使い方を身につけてもらうだけではなく使用を継続

してもらわなくてはなりません。しかし正しい使い方を理解してもらうのと同じくらい継続してもらう

のは難しいものです。

継続して使っていただくためには

・使用したことによって口腔内の変化を実感してもらう

「出血が減ってきている」「歯肉が引き締まっている」「隣接面のプラークまでしっかりと取れて

いる」など衛生士が気づいた変化をしっかと伝える。

・患者さんの負担を考慮する

最初から「必ず毎日使用してください」といった負担の大きい指導は避ける

→まずは「休みに日だけでも」や「時間に余裕がある時に」など

感想

歯周病、隣接面カリエスにはフロスはとても効果的です。 しかし、今まで使用したことのない患者様が

継続してフロスを使うのはとても難しいことです。一方的に「使ってみてください」ではなく患者様の

負担にならないような声かけ、フロスの効果を分かりやすく説明してやる気のでるようなTBIをして

いきたいです。

                             衛生士 加藤

  2018/01/03   ふくだ歯科
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