歯科でよくみられる感染対策の非常識
1.なんでもアルコールで拭く
2.どこでもグローブで触る
3.グローブやマスクを繰り返し使用している
4. 清潔域、不潔域の区別が曖昧
5.器具の滅菌・消毒が不十分
1.なんでもアルコールで拭く
アルコールは中水準消毒液であり、即効性があって消毒効果が得られるが、 タンパク質を固着
させ、洗浄効果が期待できないといった欠点もある。
接触感染の恐れのある場所の清掃方法
・多量の血液による汚染がある場合→アルコールを使ってはいけない
まずはそれらをペーパータオル等で拭き取り、そのあと次亜塩素酸ナトリウム などの中水準消毒液
で清拭すると効果的です。タンパク質が固着してしまうの で、アルコールの使用は不適切。
・血液等を拭き取ったあとの場合→アルコールを使ったほうがよい
アルコール等の消毒液による清拭が推奨されます。また、術者の手が触れる 箇所は、ラッピング
を行う方法がより衛生的。
・パソコンや机、手すりなど血液による汚染のない場合→アルコールを使う必要ない
人が手を触れる部分を意識して、環境用クロス(第4級アンモニウム塩、塩化 ベンザルコニ
ウム)や界面活性剤などでの清掃で細菌数を減らすことが大切で す。アルコールを使わなくても
十分。
*一時的な拭き取りにのみアルコールを使用
2.どこでもグローブで触る
感染経路の一つは医療従事者の手指。処置に使用したグローブを着用したまま不用 意に動き回った
り、無意識に周辺環境に触れない。
*「ユニットを離れたらグローブを外す」をルールに
3.グローブやマスクを繰り返し使用している
グローブ:1患者ごとに交換し、外した際には再装着しない。グローブをする 前と後は必ず手指
消毒を行う。
マスク:基本午前1枚、午後1枚で使い、外したら捨てる。
*一度外したグローブは再装着しないよう徹底
4. 清潔域、不潔域の区別が曖昧
清潔域と不潔域を区別することで汚染リスクを回避することができる。
*動線と器材の流れを考えてゾーニング
*器材整理には清潔にしやすい材質を選択する
5.器具の滅菌・消毒が不十分
標準予防策の原則に従って感染対策を行うことが必要。
器具・器械の管理方法
基本は⇒耐熱性のある器具:オートクレーブで滅菌
次は ⇒ディスポーザブル製品:ディスポーザブル製品がある場合はできるだけ ディスポー
ザブル製品を選択する
どちらも無理なら⇒耐熱性のない器具:プラズマ滅菌
薬液消毒(次亜塩素酸ナトリウムなど)
*来院者数に応じて確実に滅菌を行う
【感想】
感染対策についてよく考えることができました。消毒用エタノールなどは過信して 使用していた点も
あったと思います。もういちどよく確認しながら対応していきた いです。
衛生士 赤木