スタッフレポート

「第6回頑張っている歯科衛生士への応援メッセージ」講演会に参加して

1.SPTとメインテナンス

SPTあるいは移行するかの判断には、プロービング時の出血、PD、プラークの付着状況、歯の動揺、

歯槽骨の吸収、根分岐部病変検査による再評価が必要となる。

2.メインテナンスの分類

メインテナンス分類には、「予防的メインテナンス」「治療後メインテナンス」「試行的メインテ

ナンス」「妥協的メインテナンス」の4つがある。患者によって動的治療のゴールが異なる以上、

メインテナンス患者のリスクは千差万別であり、プログラムの内容やリコール間隔も異なってくる。

ここの患者に適したメインテナンスを行なううえで、メインテナンスの分類は1つの指標となる。

※動的治療には、非外科療法と外科療法があり、外科療法はさらに切除療法、組織付着療法、

再生療法、歯周形成外科療法に分かれる。

⑴予防的メインテナンス:歯周病菌の感染や組織の破壊がほとんど認められない患者のメインテナンスを

    いう。そのため、セルフケアのチェックと歯肉縁上を中心とした細菌バイオフィルム破壊、PMTCを

    行う。予防的メインテナンスはリスクが最も低いため、最も長くリコール間隔を設定することが可能

    であるが、あまり長くしすぎるとセルフケアレベルの維持ができないことがあるので注意が必要。

⑵治療後メインテナンス:初診時にあった高いリスクを外科療法を含めた動的治療で改善し、安定した

    後に行うメインテナンスをいう。ただし改善度によってメインテナンス移行時のリスクの程度は

    異なるため、メインテナンスプログラムは変わってくる。また、行われた動的治療によっても治癒

    形態は異なるため、それぞれに適したメインテナンスが必要となる。

⑶試行的メインテナンス:動的治療が微妙な結果で終わったためさまざまな不安を抱えたまま行なって

   いくメインテナンスをいう。メインテナンス時には深いポケットや骨欠損などが存在するため、

   ハイリスク部位を中心に監視する。さらに、新たな問題が発生しないように、ローリスク部位に

   目を配る。セルフケアには限界があるものの、プロフェッショナルケアが成功の必要条件である。

   SPTを継続して行う。

⑷妥協的メインテナンス:動的治療が妥協的ゴールで終わっている最もリスクの高いメインテナンスを

   いう。ハイリスク部位をたくさん抱えているため、メインテナンス時に悪化する可能性は高く、

   歯肉縁下の細菌バイオフィルム破壊を徹底的に行う必要がある。また、深いポケット内では細菌の

   後戻りが早いため、リコール間隔短い方が好ましい。

3.長期的な安定

歯周治療成功=メインテナンスの成功と言える。歯周治療を成功させ、長期的な安定を得るためには

患者教育が重要となる。

⑴患者教育

   患者教育では、歯磨き習慣を含めた生活習慣の見直しを行い、その改善を促す。さらに、正しい

   プラークコントロールの方法を身につけるためにTBIを行う。

 〈ポイント〉

   ・歯周病の回復にはセルフケアとプロケアの両方が必要である事を理解してもらう。

   ・歯肉や骨などの病態の説明を行う。

   ・TBIでは重要なポイントを絞ってあまり多くは伝えない。

   ・染め出しなども効果はあるが、歯面がツルツルしているなど舌感で自覚する方が良い。

 

感想

    今回の講演を聴いて、メインテナンスにも種類があるということを知れました。お話の中で、歯科衛

    生士は患者さんに寄り添い、ポジティブな意識をもたせることが歯周治療では重要になると言われて

    いました。一方的な伝え方にならないよう、患者さんが何を希望しているのかを把握して口腔内を

    より良い状況に持っていけるようにしたいと思いました。

                              衛生士  星島

  2018/06/27   ふくだ歯科