多くの育児書や雑誌でも子供の歯磨きの特集を目にするほど、子供のブラッシングに対する関心は年々
高くなっています。実際子供のう蝕は年々減少し続けています。 ブラッシングを重視すると同時に実際
はしあげ磨きを嫌がるわが子に悩みながら日々ブラッシングと格闘している保護者が多いようです。
歯磨きを嫌がるのにはどんな理由があるのでしょうか?
◎歯磨きによる痛みがあるから
・口角を引っ張っている
→口の中をしっかりと見ようとするあまり口角を引っ張りすぎている可能性
大きく口を開けて張っている状態の口角をさらに引くと痛みにつながりやすい。
・磨く力が強すぎる
子供用の歯ブラシは、毛が短くあまりしならないため同じ力であっても大人用の歯ブラシよりも痛み
を感じやすい。
・歯ブラシの毛先が開いている
毛先の開いた歯ブラシを使っていると先端が頬粘膜に触れてチクチク痛むことがある。また子供は
成人に比べて上下小帯が高い位置に付着しているためブラッシング時に注意する必要がある。
◎歯ブラシ中苦しいから
ブラッシング時にはたくさんの唾液がでるのでお母さんが真剣に磨いている 間、唾液を飲みこむ
こと、呼吸することさえ子供は我慢しています。様子を見計らいながら、歯ブラシをいったん出して
あげ磨いている保護者も真剣にするあまり、息をとめて力が入りすぎている可能性もあるので確認
するようにする。
◎じっとしていられないから
歯を磨くことではなく、「磨くために横になること」「動かないでじっとしていること」が嫌な可能
性がある。短時間で磨き終えることができるように、子供の歯がどこに何本あるかどのくらい奥まで
ブラシを入れられるかなど横になって口の中を子供と一緒に観察して見ると良い 。一緒に見ることで
口に興味をもちだしたり、子供自身が横になることにも慣れることが期待できる。
どうしても難しい場合は磨けなかった部分から次磨き始めるなどいつも同じ部分しか磨けないという
ことがないように気を付ける。またキシリトールを利用したり、歯科医院で定期的にリーニングを
してもらうと良い。
年齢に合わせた歯磨きの体勢
0~1才
抱っこ磨き
→赤ちゃんのうちは、母乳をあげる時と同じ抱っこの体勢で
1~3才寝かせ磨き
→膝を少し開いて正座して膝の上に頭ののせる
どんな歯ブラシがいいか
・ヘッドは小さめ
・グリップが握りやすい
・毛は柔らかく密集している
仕上げ磨きのポイント
・虫歯になりやすい上の前歯や上下の奥歯に的を絞って。
・磨く順番は奥歯から痛みを感じやすい前歯にかけて磨く。
・歯ブラシは歯の面に直角にあてる
歯の面にまっすぐ歯ブラシを当て歯茎を傷つけないように優しく細かく磨く
・上下の奥歯の溝を磨く
奥歯のかみ合わせの面は汚れが溜まりやすい部分。溝に沿ってかきだすように磨く
・上の奥歯の側面を磨く
上の奥歯の頬側は口を大きく開けずに小さく開けると頬が緩み磨きやすくなる。下の奥歯の舌側は
「アー」と言わせると舌が下がりよく見える。
・上の前歯を磨く
小帯を歯ブラシで傷つけないように人差し指で上唇を押さ、人差し指に歯ブラシを沿わせるように
磨くと痛みがでにくい。
感想
私の身近にも子供の歯磨きに苦戦している人がいるのでレポートにまとめました。
小さいうちから歯磨きの習慣をつけておくことで良いことがたくさんあると思います。
歯磨きが「嫌なこと」というイメージを子供にあたえないためにも嫌がる理由や痛みを与えない歯磨き
のやり方、仕上げ磨きのポイントをしっかりと頭にいれておきたいと思ました。
衛生士 加藤