スタッフレポート

医療安全について、勉強会で発表して

医療安全とは、リスクマネジメント(危機管理)のことです。リスクマネジメントの目的は、「医療事故

防止の活動を通して、医療の質を保証する」ことにあります。医療機関に内在するリスクを管理し、

「患者の安全を確保する」ためのもので、質のよい医療サービスを提供するうえで欠かせません。

医療安全ができるかぎり確保するためには、リスク要因の背景因子を十分に理解し、対策を講じておく

必要があります。また、基本的な臨床知識を応用し、問題解決できる能力を日頃から養っておくことも

大切です。

医療安全とは、患者さんを守るためだけのものではなく、 歯科医療従事者、ひいては歯科医院を守る

ためのものでもあります。

医療事故とは、医療の全過程において発生する傷害(人身事故)のことを指します。

過失の有無に関わらず、医療に関する場所で起きたすべての事故を含みます。

インシデント

「医療上で患者に起こった、もしくは起こりそうになった好ましくない事象のすべて」のこと。

誤った医療行為が行われたが事前に発見されて事故には至らなかった「ヒヤリ・ハット」、

事故は発生したが患者や医療従事者に傷害を及ぼさなかった「ニアミス」もインシデントの一部

として定義せれています。

アクシデント

トラブルが発生し、患者さんに何らかの傷害(有害事象)が生じた場合のこと。

医療過誤

医療従事者に過失のある医療事故のこと。

医療安全には「医療事故や紛争(クレームや訴訟)を発生させないための予防策」「医療事故や紛争が

発生した場合の対応策」が含まれます。具体的には、技術を向上させる、医療機器を安全に管理する、

院内感染対策を行うといった医療技術(テクニカルスキル)だけでなく、ヒヤリハットの報告や、患者

さんへの誤解のない説明、違いを察知する観察力といった非医療技術(ノンテクニカルスキル)もあり

ます。

2009年7月の英国会議「患者安全」報告書によると、「ノンテクニカルスキルの訓練により、医療

エラーを50%減らせる」と明記されています。ノンテクニカルスキルには「考える力」「伝える力」

「決める力」「動かす力」の4つの体系があり、これらは「ノンテクニカルスキルの向上に必要な

要素」のすべてに影響します。

〈まとめ〉

「歯石をとったら歯がしみた」「説明を受けていない」などの不満もインシデント事例にあげられ

ます。慣れてきたり、忙しかったりすると診療の効率を優先しやすいですが、事前に予測される状況

について丁寧に説明し理解していただくことが大切だと思いました。医療安全について正しい知識を

もち、日々の業務を見直していきたいです。

                              衛生士 関口

  2017/07/05   ふくだ歯科
タグ:医療安全