膿漏に侵された歯の治療は、正確で丹念な歯磨き、「長時間ブラッシング」が中心となる。バイ菌退治と
歯茎鍛錬が一番効果をあげる。
歯槽膿漏の治療は、自分でこういう病気にかかっているのだと認識(自覚)し、病気の正体を知り、対策
を立てて実行する(自助)必要がある。自分で病気をコントロールしないとダメ。
急性症状・・・疲れが溜まるとよく起きる。
歯垢と膿を退治しつつ休養する。睡眠も取る。
最初の二日はブラシが痛いかもしれないので、軟毛の歯ブラシで(画筆で磨くと痛くない)
日を追って毛先を立てる。(毛先を斜め45度に当てて)
一週間もすれば急性症状は一応おさまり、磨いても痛くなくなる。
そして・・・
・突っ込み振るわせ磨き・・・ペングリップで、歯間に毛先を突っ込み、ブラシを振るわせる。
こする音がしてはいけない。ほとんど無音。一~二列歯ブラシで。
・フォーンズ法・・・円を描いて上下の歯を一緒に、歯茎もこする。三~四列ブラシで。
この歯磨き法を併用。
歯根が露出している所はブラシを斜めや縦に当てたりして磨き損なわないように。
何かをしながら磨く癖を。洗面所で長時間・・・では続かない。
歯列キャップ(簡便な暫間固定)・・・噛むときに浮いた歯一本に加わる力を全歯で分担。悪い歯に余分な
負担をかけず、噛みしめ、歯ぎしりの悪影響防止に安静をはかる。
半流動食(軟らかい食べ物)で安静に。
根を分割して骨のない方だけ抜く。(残る歯を救う)
喜ばれる入れ歯作り・・・歯を抜かずに歯槽膿漏を治し、小さな入れ歯を。
手術で救えない重症は?・・・
残っている骨が1/3以下だと手術できない。抜くか、抜けるまでおいておくか。骨が1/3以下でも、
上記の事柄(固定、その他)で工夫しブラッシングに励めば効率に歯を救える。
感想・・・
1990年に出された本です。患者さんがこの本を読んだそうで、私も読んでみました。歯科によって勧め
る磨き方は色々ですが、歯周病治療の基本は歯磨きだと改めて分かりました。歯を残したいという患者
さんの気持ちに寄り添いながら衛生士の仕事をしていきたいと思います。
衛生士 岡本