チームで取り組む最新歯周病治療
~これからの歯科医療に求められる歯科医師・歯科衛生士像とは~ 高柴正吾先生
医療の目的・意義
健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にもそして
社会的にも、すべてが満たされた状態にあること
→私達は死亡率100%なので、死ぬまでの間にいかに、その人らしい生活を楽しむかということ
外来治療:①日常生活の維持 ②『健康生活』のゴール設定
入院治療:①早く退院して日常生活に戻る ②『健康生活』のゴール設定
QOLを維持・向上し、生きていることが幸せ!と感じること…これを目指す
医療の中での歯科の目的・意義
口の機能管理
①噛むことによって食事を摂って栄養を得ること
②口腔内はバイ菌が多いので、口の感染と炎症から口の機能を守りつつ、それらが全身に影響を
与えないようにすること
歯周病治療:①感染源の除去 ②再感染の防止・予防
生涯続く細菌との共生
人間の体…入口と出口は細菌が多い、死ぬ間際には増える
歯周病の発症と治療概念の流れ
①感染 ②炎症 ③組織破壊 ④機能喪失
対策 感染源除去 消炎 形態改善 リハビリ
現在の 歯周治療 歯垢除去 化学療法 歯周外科治療 口腔機能回復治療 (補綴:被覆・連結)
スケーリング(歯周基本治療)
最近の治療 化学療法 歯周再生療法 インプラント
費用 小 大
日常での努力 大 小
歯周病から全身疾患:歯周病内科
心臓血管系疾患、早産・低体重児出産、呼吸器系疾患、糖尿病、末期腎疾患…
口腔が「汚い」とは?
部屋の「汚い」は?→整理整頓することで清潔へ
口腔も整理整頓し、衛生管理が可能な環境へ変える…年齢の能力に対応すること
個人の長寿化:人生90年
でも、健康寿命との差は10数年
人口の高齢化:30%を超える高齢者
歯科医療の果たす役割
“歯の延命を図る”
“全身の健康に寄与する”
“社会・文化への発展へ貢献する”
口腔科としての歯周疾患の捉え方
口腔内の感染症 神経機能の統合性の失調 発生系の異常
歯周病 齲蝕 歯牙欠損 歯・顎・顔面痛 顎関節症 奇形 腫瘍
リハビリテーション 再建・再生
【感想・考察】
今回の内容から、身体の健康とお口の健康とは密接に結び付いていることが分かり、歯科が果たす
役割の重要性を改めて認識できたように感じます。長寿化ということを考えた時に、自分自身も
含め、患者さん一人一人の日常での努力が大きければ大きいほど、今後の口腔状態や生活様式も
変わってくるはずです。そうであるならば、患者さんに合わせ、できることできないことを見極め
つつも、諦めることなく、より一層口腔への意識を高め、歯を守ることの大切さを伝えていけたら
いいなと思いました。
衛生士 河本