新着情報

唾液の力(唾液の緩衝能)について

「口が酸っぱくなる」と唾液の緩衝能は関係がある?

物質の酸性やアルカリ性の度合いを示すpHは0~14の数字で表され、数字が小さくなるほど強い酸性、大きくなるほど強いアルカリ性であることを示している。pH7は中性を指す。安静時の唾液はおおむね中性で,pHは6.2~7.6(平均6.7)程度。

通常、 酸性の強いもの→酸っぱさを感じる

       アルカリ性の強いもの→苦さを感じる

   しかし、

       酸っぱいものを食べてもその酸っぱさは永久に残らない。

       酸っぱい味のものを一度飲んだからといって必ず歯がとけるものではない。

                 ↑

             唾液による緩衝能がある

  

唾液の緩衝能とは、唾液が正常な範囲に口腔内を保とうとpHの変化に抵抗するはたらきのこと。

 

 唾液は緩衝液(弱酸と弱酸からできた塩を含む溶液)として作用し、口腔内のpH変化に抵抗する。

 

 ヒトの唾液の緩衝能は重炭酸塩システム、リン酸塩システム、タンパク質の3つの緩衝能システムによって調整されており、うち85~95%が重炭酸塩システムによる。

 

 唾液のpHは唾液中の重炭酸イオン(炭酸が水に溶けた状態)濃度によって変化し、濃度が増すとpHも上昇する。重炭酸イオン濃度は唾液分泌量に強く依存するため、唾液分泌量が多いと緩衝能が高く、少ないと低くなる。

 

◎歯を浄化し、包みこむ唾液(唾液の浄化作用)

 唾液は透明な有機物でできた厚さ0.1~数㎛の均一で薄い被膜として、歯の表面に存在している。この被膜は「ぺリクル」(獲得被膜)と呼ばれる。

 

 歯の表面に唾液が触れるとペリクルの形成が開始され、1時間ほどで一定の厚さになる。

 これは主に唾液タンパク質が選択的に歯の表面に吸着されたもの

                  ↓    

歯の物理的保護、浄化作用、歯の脱灰抑制、再石灰化の促進。

 

◎唾液の中のカルシウムイオンとリン酸イオン

  安静時の唾液にはカルシウムイオンとリン酸イオンが豊富に含まれていて、歯や歯石などを構成しているリン酸カルシウムを形成するのに十分な状態(過飽和)となっており、安静時のプラークpH下では、プラーク中に微小なリン酸カルシウムが形成されている。

  唾液にはリン酸カルシウムの結晶になる材料が豊富に含まれているが良好な口腔内状況下では、歯石が口全体にできることなない。これはタンパク質とカルシウムイオンが非常に結合しやすく、リン酸カルシウムの沈殿や結晶の形成を特異的に防止している。

 

◎口腔内にあるう蝕の薬とは・・・

  う蝕発生リスク:

   プラーク中の細菌は、ショ糖や炭水化物を急速に代謝し酸を産生する。その結果、時

   間の経過とともにプラークpHが変化する。プラークの緩衝能により徐々に値が回復

   する。pHが改善してくると、唾液に含まれるカルシウムイオンやリン酸イオンが歯

   に再び取り込まれる再石灰化が促されるが、その速度は個人や条件により異なる。

  

  その他:*睡眠や口腔乾燥症での唾液減少

      *3大不潔域に代表される低い浄化作用等の原因で唾液・プラークともに緩衝能が低くなり、pHの改善に時間がかかって脱灰時間が増え、う蝕発生リスクが高まる。

      *食事や間食回数が多いと、口腔内が酸性になる頻度が増え、脱灰が起こる。

 

   

   歯の白斑の回復はわずかに脱灰されたエナメル質の再石灰化によるもので、唾液やプラークに対するフッ素イオンの関与が重要であるとされている。特に低濃度のフッ化物が歯の周囲に存在すると、pHが低い場合でも脱灰を抑制する。pHが中性域の場合には再石灰化を促進する。このことから、日常的なフッ化物応用を行うことが重要である。

  2014/06/15   ふくだ歯科
タグ:唾液

糖尿病と歯科治療について

糖尿病患者は年々増加傾向にあり、成人の4人に1人以上が糖尿病かその予備群である。

歯科治療において、糖尿病患者を診察する機会も増加しつつある。

糖尿病…インスリンの不足・円滑に作用しない

→ブドウ糖が細胞に取り込まれない

=血液中のブドウ糖がエネルギー源として有効利用できない

→血糖値が上昇

→全身のエネルギーが不足する。

 

.糖尿病の病型分類

1)1型糖尿病

膵臓のβ細胞(インスリンを作る細胞)が破壊され、からだの中のインスリンの量が絶対的に足りなくなって起こる。子供の頃の始まることが多い。

治療はインスリン注射。

2)2型糖尿病

一般的に知られている糖尿病。「インスリンの量が少なくなって起こるもの」と「肝臓や筋肉などの細胞がインスリン作用をあまり感じない(インスリンの働きが悪い)ためにブドウ糖がうまく取り入れなくなって起こるもの」がある。生活習慣が関係。日本の糖尿病の95%がこのタイプ。治療はライフスタイルの改善、肥満の解消。それで不十分な場合に、薬物療法が追加。

3)遺伝子の異常やほかの病気が原因となるもの

遺伝子の異常や肝臓や膵臓の病気、感染症、免疫の異常などの他の病気が原因となって、引き起こされるもの。薬剤が原因となる場合もある。

4)妊娠糖尿病

妊娠中に発見された糖尿病。新生児に合併症が出る場合もある。

 

.糖尿病の診断

高血糖が慢性に持続していることを証明することによって行う。

◆血糖値(空腹時血糖値126mg/dL以上、75g糖負荷試験(OGTT)で2時間値200mg/dL以上、随時血糖値200mg/dL以上のうちいずれかが糖尿病型)とHbA1c値6.5%以上(NGSP)〔6.1%以上(JDS)〕が確認された場合には「糖尿病」と診断される。

◆血糖値のみ糖尿病型と診断され、糖尿病の典型的症状や確実な糖尿病網膜症のいずれかが見られれば「糖尿病」と診断される。

◆初回検査でHbA1c値6.5%以上(NGSP)〔6.1%以上(JDS)〕のみ糖尿病型と診断され、再検査で再度糖尿病型と診断されても、血糖値が糖尿病型でなければあくまで「糖尿病の疑い」にとどまるとされる。

 

治療の目標

・糖尿病症状を除く

・合併症とその発症・増悪を防ぐ

・健康な人と変わらないQOLの維持・寿命の全う

 

.糖尿病の症状

高血糖値…口渇、多飲、多尿などの明白な典型的症状

血糖コントロールの悪化状態が続けば合併症が出現。

 

1)1型糖尿病

若年者に多い。

急性に口渇、多飲、多尿などの症状が起こる。

膵臓のランゲルハンス島(膵島)がこわされ、自分でインスリンが作れない。

インスリン治療が必要。

ゆっくり発症する場合と極めて急激に発症する場合とがある。

 

2)2型糖尿病

中高年に多い。

肥満や生活習慣病のためインスリンの働きが悪く、十分にインスリンが作れない。

症状が急性に起こることは少なく自覚症状が乏しい。

診断されても発症して何年も経過し、血糖コントロールが悪化しているため、経口血糖降下薬が必要。

 

糖尿病の症状

血糖値が高くなり現れる症状

・全身の倦怠感(だるさ) ・疲れやすい ・異常な喉の渇き(口渇)

・尿の量が多い(多尿) ・尿の回数が多い(頻尿) ・多く食べ過ぎる(多食)

 

糖尿病の合併症(余病)による症状

・視力低下 ・知覚異常 ・神経痛 ・皮膚のかゆみ 

・めまい ・陰部のかゆみ ・立ちくらみ

 

.糖尿病患者の合併症

1)急性合併症

高度のインスリン作用不足は、糖尿病ケトアシドーシス(脂肪の代謝が進む→ケトン体が過剰に蓄積→体が酸性(アシドーシス)に傾く→ケトン体によるアシドーシス=ケトアシドーシス〕や、高浸透圧高血糖症候群により意識障害をきたし、重度の場合には昏睡に陥る。低血糖による意識障害も重要。

2)慢性合併症

高血糖が長く続くと、特徴的な細小血管症である網膜症、腎症、神経障害や、糖尿病に罹患することでリスクが高くなる大血管症である動脈硬化性疾患(冠動脈疾患、脳血管障害、末梢動脈疾患)、足病変、歯周病の合併症がある。

 

糖尿病と歯周病の因果関係

歯周病は腎症、網膜症、神経障害、大血管障害、小血管障害に次ぐ6番目の合併症。

歯周病のある糖尿病患者が発症する場合のある症状

・歯周組織の微少血管障害

・歯周結合組織の代謝の異常

・免疫機能の低下や唾液の減少

・口腔乾燥

重度の歯周病は、糖尿病患者における虚血性心疾患や糖尿病腎症による死亡の予知因子であることや糖尿病患者に対し、歯周病の治療・管理を行うことにより、血糖コントロールが改善したとの報告もあり、相互に与える影響が大きく、密接な関係があることが明らかになってきている。

 

.歯科治療の際の注意

1)経口血糖降下薬やインスリンを使用している場合は、低血糖が起こらないように食事時の診察を避ける必要がある。

2)特に低血糖を起こしやすい場合は一回の治療時間が長くならないようにする。

3)抜歯においても糖尿病患者では創傷治癒の遅延が指摘されている。抜歯時は普段診てもらっている医師に糖尿病の状態を確かめておく必要がある。血糖コントロールの指標は明確でないが、相対的に外科的侵襲度の低い歯周外科治療では、術前HbA1c(NGSP)7.0%未満が参考になるとの記載もある。

4)健康者では抜歯の後に抗生物質を服用する必要がないこともあるが、糖尿病患者は易感染性のため抗生物質を服用して感染を予防する必要がある。

5)糖尿病患者では、健常人と同様にアドレナリン含有歯科局所麻酔薬の使用により一過性に血糖値が上昇するものと考えられるが、その安全性について高いレベルでエビデンスを得ることはできない。しかし、内科的に良好なコントロールをされている糖尿病患者では概ね安全に使用することができると考えられる。なお未治療あるいはコントロール不良の糖尿病患者については、まず内科へのコントロール依頼を行うことが推奨される。またこれらの患者において局所麻酔を避けられない場合にはアドレナリン非含有(フェリプレシン含有)歯科局所麻酔薬の使用を考慮する必要もある。

  2014/03/03   ふくだ歯科

EO水(電解酸性機能水)各論②

3.保存修復学

 

1)歯科充填材料充填時の歯面処理

 目的・歯科修復材の歯面に対する接着性の向上(スミヤー層の除去)

   ・窩洞細菌の殺菌

 現状

充填材料や接着面(エナメル質、象牙質)に応じて処理液を使い分ける必要がある。

電解機能水の使用法

 1.EO水を用いた約1分間の連続的な接着紙面に対する流水処理

 2.エアブローによる接着歯面の乾燥

評価

 窩洞内殺菌効果、エナメル質面のエッチングパターンの出現、

象牙質面のスミヤー層の除去効果、通法の酸による歯面処理と同程度の接着強さ

 問題点

  歯面処理時間が通法より長い。

流水下で行う必要がある為、作業が煩雑。

 

 

2)齲窩および窩洞形成後の清掃・消毒

目的・窩洞内有機質の溶解

  ・切削片の洗浄およびスミヤー層(切削片、組織片が根管壁に厚く塗り込められた層)

の除去

  ・窩洞内の無菌化

現状…各種薬液による窩洞内の洗浄・消毒

→問題点…周囲組織の為害作用、残留による歯髄刺激

 電解機能水の使用法

  洗浄筒洗浄による60秒以上の連続的な窩洞内面に対する流水処理

   1.洗浄針先端を窩洞内に挿入

   2.EO水を30~300ml(30~60ml/分で1~5分間)で還流

   3.エアブローによる窩洞内面の乾燥

 問題点

  スミヤー層の除去ならびに窩洞内消毒に有用であるが、軟化象牙質の機械的清掃なくして、

その消毒効果が得られないことを理解した上で使用する必要がある。

 

 

 

 

4.歯内療法学

 

1)歯内療法時の根管内洗浄・消毒

 目的・根管内の無菌化

   ・根管壁スミヤー層の除去

 電解機能水の使用法

  ◇根管壁スミヤー層の除去

根管内全体に多量のEO水を還流させることが重要

    ①洗浄筒洗浄法

     1.洗浄針先端を根尖部分まで挿入する

     2.根管拡大中に数回に分けて使用する場合:EO水を30ml以上(6ml/分以上)

で還流

     3.根管拡大終了後に使用する場合:EO水を90ml以上30ml/分以上で3分間以上)で還流

    ②超音波洗浄法

     1.超音波機器へ根管より細いチップを装着

     2.先端を根尖部より約1mmアンダーに挿入

     3.水流値を30/分以上に設定

     4.EO水にて1分間以上の連続的な根管超音波洗浄(歯内治療用の低出力)

  ◇根管内消毒

    1.有機成分除去の為、十分な機械的根管拡大を行った後に使用する。

    2.以下、根幹壁スミヤー層除去に準じる

 問題点

  EDTA溶液や次亜塩素酸ナトリウム溶液と同条件で使用した場合、それらに匹敵する消毒効果は期待できない。超音波による根管壁へのダメージに注意。有機質の量が多いと効果が激減するので必要十分な根管拡大が必要。

 

 

2)ガッタパーチャポイントの殺菌・消毒

 目的…根管内充填材の消毒

 電解機能水の使用法

  1.EO水による15分間の浸漬処理

  2.乾燥処理

 問題点

  長時間浸漬すると表面構造の変化や特異変化が起こる

 

 

 

 

 

5.歯周病学

 

1)歯周ポケット内の洗浄・消毒

現状

・ブラッシングによる清掃(機械的清掃法)

  ・超音波スケーラーによる清掃

  ・各種薬液によるイリゲーション(科学的清掃法)

  ・局所薬物配送システムによる細菌の抑制(LDDS)

電解機能水の使用法

  ①洗浄筒洗浄法

    1.洗浄針先端を歯周ポケット内に挿入

    2.EO水を歯周ポケット内で5ml~20m/1歯流出させ洗浄

  ②Perio Pik洗浄法…EO水を用いたPerio Pik洗浄法による30秒間の流出洗浄

  ③シリンジ充填法…強電解酸性ジェルを歯周ポケット内へシリンジにて充填

 評価

  ・歯周ポケット内イリゲーション(毎週1日1回併用)

    …Plaque Index、Gingival Index、GCF量、歯周病原細菌の明らかな減少

  ・電解酸性ジェルの歯周ポケット内充填

    …1回の充填で7日間の総菌数と黒色色素酸性菌の有意な減少が見られる

 問題点

  唾液中の有機物の影響により、EO水の性状に変化が生じる

 

 

2)歯周外科手術時の施術歯根面処理

 目的…新付着の獲得

電解機能水の使用法

  1.EO水を含む小綿球の作成

  2.小綿球による3~5分間の歯根面擦過処理(小綿球は30秒毎に交換)

 評価

  繊維芽細胞の偽足伸展が鮮明で強固に付着する度合い

     クエン酸>電解酸性機能水>テトラサイクリン処理

問題点…処理時間が通法より長く、流水下にて行う必要がある為作業が煩雑となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

6.歯科補綴学

 

1)歯肉縁下形成後の洗浄・消毒・止血

 目的

  ・術後の感染予防

  ・印象採得のための止血

 現状

  ・過酸化水素水や塩化ベンザルコニウムによる洗浄・消毒

  ・ボスミンによる止血

 現状の問題点

  ・薬液による周囲組織への為害作用

  ・薬液の残留による治癒障害

  ・ボスミンは心疾患患者において使用禁忌

 評価

  殺菌作用、血管収縮作用による止血効果…印象採得を行いやすくなる。

 問題点

  EO水には金属の腐食作用があり、特に銀合金にはその影響が大きい。

  そのため、洗浄・消毒に注意を払う必要があるが使用時間は短いので、特に問題は無いと

考えられる。

 

 

2)支台築造用根管形成面の洗浄・消毒

 目的

  ・支台築造用根管形成面の切削面、スミヤー層の除去

・支台築造用根管形成面の無菌化

 電解機能水の使用法

  ・洗浄筒洗浄法

  ・超音波洗浄法

 問題点

  EDTA溶液や次亜塩素酸ナトリウム溶液と同条件で使用した場合、それらに匹敵する消毒

効果は期待できない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3)各種印象採得物の洗浄・殺菌・消毒

 目的…院内感染予防

 電解機能水の使用法

  ①浸漬法

    1.水道水による十分な前洗浄もしくは電解アルカリ性機能水による30秒間の前洗浄

    2.EO水による5分間の浸漬処理

    3.水道水による軽い後洗浄

  ②流水法

    1.水道水による十分な前洗浄もしくは電解アルカリ性機能水による30秒間の前洗浄

    2.EO水による1分間の流水処理

    3.水道水による軽い後洗浄

 評価

  EO水による5分間の浸漬処理で、ほぼ100%の殺菌・消毒効果が得られる。

  処理が短時間である為、印象採得物の寸分変化や表面荒れは少ない。

  石膏注入後の模型精度への影響も最小限。

 問題点

  多少の膨張変化。

  唾液や血液付着などによりEO水の効果は著しく減弱されるため前洗浄が重要。

 

 

4)アルジネート印象材の練和用液への応用

 目的…院内感染予防(印象採得物内部の消毒)

 使用法…EO水によるアルジネート練和・採得+採得後、上記3)と同様の洗浄法

 評価

  EO水をアルジネート印象材の練和液として用いた場合、印象採得物内部まで殺菌効果が見られる。EO水の有効塩素はアルギン酸ナトリウムに反応するため、完全な殺菌効果は期待できない。しかし、印象採得後に流水法あるいは浸漬法を用いて印象採得物を洗浄することにより、完全な殺菌・消毒が可能となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5)咬合床、蝋義歯、ワックスバイトの洗浄・殺菌・消毒

 目的…院内感染予防

 電解機能水の使用法

  ①浸漬法

    1.水道水による十分な前洗浄もしくは電解アルカリ性機能水による30秒間の前洗浄

    2.EO水による5分間の浸漬処理

    3.水道水による軽い後洗浄

  ②流水法

    1.水道水による十分な前洗浄もしくは電解アルカリ性機能水による30秒間の前洗浄

    2.EO水による1分間のブラシ清掃処理

    3.水道水による軽い後洗浄

 評価

  EO水の1分間の作用で99.8%、5分間作用以上で100%の殺菌効果が期待できる。

 

 

6)模型の洗浄・殺菌・消毒

目的…院内感染予防

電解機能水の使用法…上記3)と同様の洗浄法

 問題点

  EO水への5分間の浸漬処理により、石膏模型表面2~3mmに付着する細菌は死滅するが、内部4~6mmと深く入り込んだ細菌の殺菌には48時間以上の浸漬が必要。したがって、技工作業工程により浸漬時間を考慮する必要があり、分割等をしたときの破断面には気をつける。その際にはEO水に再度5分間浸漬して殺菌する必要がある。

  2014/01/13   ふくだ歯科
タグ:EO水

EO水(電解酸性機能水)各論①

1.各科共通項目

    1)口腔衛生指導時の歯ブラシ、歯間ブラシ等の洗浄・殺菌・消毒

   安全性が高く、安価である電解酸性機能水の殺菌作用は協力であり、副作用は殆どない。

 2)口腔内洗口・含嗽によるプラークの形成抑制

   電解酸性機能水を一定の条件で含嗽させる事により、プラーク中の歯周病関連細菌及びう蝕関連細菌の減少効果が生じ、結果的に歯面へのプラーク蓄積量を抑制させた。Streptococcus mutansに対する殺菌効果は3回以上の洗口によりみられた。

 3)口腔内洗口・含嗽による口腔内悪臭の除去

   電解酸性機能水による口腔内洗口・含嗽を1日3回食後に行い、1週間後のメチルメルカプタンのppmを測定した結果、ブラッシングのみに比べて高い消臭抑制効果を示した。

 4)エアタービン、超音波スケーラー、超音波振動根管拡大洗浄装置の噴射水への応用

   電解酸性機能水によるエアタービン、超音波スケーラー、超音波振動根管拡大洗浄装置の内部腐食と配管材の劣化が懸念される。従って、これらの防止策としては、使用後に電解アルカリ性機能水などによる中和処理が必要。

 

2.院内感染予防

 1)手指、手袋の洗浄・殺菌・消毒

   電解酸性機能水を用いた15秒間の連続的流水処置では90%以上の除菌効果があり、

ウェルパス同等の効果を示した。30秒間の浸漬処理で有効な除菌効果が得られるが、30秒以上行っても、除菌効果はあまり向上しない。グローブを常時用いた場合は、10秒間の浸漬処理で効果が現れる。

 2)治療室、手術室内環境の洗浄・殺菌・消毒

   電解酸性機能水は即効性の殺菌効果を示し、生体に対しての為害作用も低い。

 3)ユニット注水管路の洗浄・殺菌・消毒

   ユニット中に直接電解酸性機能水を給水使用する場合、メリットは非常に大きい。しかし、長時間接触する為、構成部材の腐食が懸念される。その為、腐食させないような対策が必要である。(電解酸性機能水→電解アルカリ性機能水による中和処理→エタノール等による管路内の脱水、乾燥処理)

4.各種器具、機材の洗浄・殺菌・消毒

 今後、コストや手間のかからない電解酸性機能水が歯科臨床の場において一般的な滅菌、消毒法法となるであろう。

 電解酸性機能水による消毒に必要な浸漬時間は10~20分間であり、金属製器具の腐食防止には使用後、電解アルカリ性機能水で洗浄し乾燥するか、次の滅菌過程に移す事で完全に回避する事ができる。また、電解アルカリ性機能水による前洗浄を行う事により、血液等の付着物の除去効果を高める。

  2013/12/12   ふくだ歯科
タグ:EO水

EO水(電解酸性機能水)について、総論

―「口腔機能水ガイドライン」総論―

 

機能水(Functional Water)

 人為的な処理によって再現性のある有用な機能を獲得した水溶液の中、処理と機能に関して科学的根拠が明らかにされたもの及びされようとしているもの。(機能水は日本機能水学会会則の第2条に記されている)

 

電解機能水

 電解水は薄い食塩水や水道水などを弱い直流電圧で電気分解することによって有用な機能を獲得した水溶液である。電解条件によって様々な電解水がつくられる。

 *殺菌性電解水(電解酸性機能水、電解弱酸性機能水、電解微酸性機能水、電解次亜水)

*飲用に用いられる電解水(アルカリイオン水)

 

電解酸性機能水の生成原理

 隔膜によって陽極と陰極に仕切られた有隔膜式電解槽内で濃度0.1%以下の食塩水を電気分解すると、陽極―電解酸性機能水が生成される。

      陰極―電解アルカリ性機能水が生成される。

 

殺菌ポテンシャル

電解酸性機能水はほとんどすべての微生物に対して瞬時で強力な殺菌力をし、電解酸性機能水の有効塩素濃度40ppmは、1.000ppmの次亜塩素酸ナトリウム液に匹敵する殺菌力を有している。しかし、蛋白質などの有機物が存在するとその殺菌力は減弱する。

 電解酸性機能水の一般細菌に対する殺菌効果は次亜塩素酸ナトリウム液より、殺菌スペクトルが大きい。

 

電解酸性機能水の保存性

良好な保存方法は密閉遮光容器の4℃で、30日以内であれば十分使用可能である。

 

電解酸性機能水の殺菌作用の有無の判定

ヨウ化カリウムデンプン反応を使用したテストペーパーADVANTECを用いて確認するとよい。

青に変色―有効な殺菌力あり、白く変色しなければー有効な殺菌力なし。

 

有機物による電解酸性機能水の殺菌力の減少

有機物の存在している口腔知立に使用する際は、流水洗浄あるいはジャブジャブ使用することが大原則である。

 

一般消毒薬との併用効果

電解酸性機能水を使用する場合は他の消毒薬と併用しないで電解酸性機能水のみで使用した方がよい。

 

 

電解酸性機能水による歯の脱灰

エナメル質、象牙質に対する影響はエッチング操作作用よりも歯への脱灰の影響は少ない。

              ↓ 実験結果を総括すると・・

電解酸性機能水を用いて含嗽あるいは洗口を行っても歯質に対する影響は極めて 少ないと考えられる。

 

電解酸性機能水による金属の腐食

金属は酸により酸化され、腐食する。電解酸性機能水はpH2.7以下の強酸である。

口腔内使用金属・・銀合金以外は72時間浸漬実験にも変化がみられない。

歯科用切削器具・・歯科用切削器具は腐食し易いので浸漬時間を必要最小限にすべき。

診療器具・・・・・比較的早い時間に腐食が生じるので浸漬時間は必要最小限にする。

 

 

電解酸性機能水(使用手引きより)

●電解酸性機能水は多くの病原微生物を瞬時に殺すちからがある。

《感染病の原因になる病原菌、ウィルス》エイズ、B型・C型肝炎、ヘルペス、MRSAなど。

《食中毒の原因になる菌》黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、大腸菌O-157など

 

●薬品にはないすぐれた特長・・病原微生物に作用し、人や環境にはやさしい水。

《安全》薬品とちがい薬剤耐性・残留性がなく、人体に無害。

《安心》ヒフ、だ液、血液などの有機物に触れると普通の水に戻る。

《信頼》多くの医療機関、公共施設、有機栽培農家などで普及。

 

●使用上の注意

・使用前に、血液・タンパク質などの汚れを水道水などで十分洗い流す。

・使用する部位に対して「洗い流す」という感じで使う。

・ステンレス製以外の金属への使用は避け、使用後は水道水でよく洗う。

・多少のにおいと酸味がある。

・飲み物ではない。人体には無害だが、飲み込まない。

 

●口の中の使用例

・虫歯の原因菌を抑制。                             ・歯肉炎、歯周病の予防。口内炎の改善。                   

・口臭予防。                                  ・口の中のネバネバ感がなくなる。

・粘膜の消炎、鎮痛効果が期待。                    ・ ・風邪の予防やのどの痛みに。

          

 

  2013/11/20   ふくだ歯科
タグ:EO水

2F東側の診療台を最新の診療台に替えました。

  2013/11/18   ふくだ歯科
タグ:

お財布にやさしいオフィスホワイトニングはじめました。

クリスタル・ブライトニング(歯科医院でおこなうホワイトニング)はじめました。専用ホワイトニング剤を歯に塗り、専用  照射器(パピヨンⅡ)で10分間光をあてます。費用は1回8000円(税別)で上下12前歯まで可能です。また同日2回を行う場合、費用は7000円(税別)です。詳しくはお問い合わせください。 

  2013/08/04   ふくだ歯科

安全な水(中性電解水)を使用しています。〔歯科ユニットウォーターライン除菌装置・ポセイドン〕

 高齢化社会となった現在、医療の現場において日和見感染のリスクを軽減

することは、院内感染予防の観点から重要視されています。近年では、歯科

領域の院内感染においても重要視されるようになり、歯科ユニット給水系の

微生物汚染が注目されています。この微生物汚染は、給水停止時に長時間に

わたり給水チューブ内に滞留した水中で微生物が増殖し、その後形成された

バイオフィルムがチューブに付着することに起因します。歯科切削器具など

から放出される水は、歯科ユニット給水系の水を使用しているため、切削器具

よりバイオフィルムから落屑した微生物が水とともに放出されることが指摘

されています。

  一方、新しい消毒法として中性電解水が注目されています。中性電解水は

次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンを含む水溶液です。生体為害性がなく、無味

無臭で金属腐食性も低いとされており、洗口剤として応用が期待されて

います。また排水路環境にも影響が少ないことから、歯科器材・材料の消毒

に用いられています。

当医院ではユニットクリーニング、通称「ユニクリ」を施工し、給水チューブ

内で増殖した微生物の存在するバイオフィルムを完全に除去しました。治療に

用いる全ての水に生体に安全な除菌水(中性電解水)を使用しています。

今まで(浄水器のみ使用)以上に、安心して治療を受けていただけることと

思います。

 

  2013/07/21   ふくだ歯科
タグ:

誤嚥性肺炎について

最近ニュースで「誤嚥性肺炎」という言葉を聞いたことはありませんか?これからの高齢化社会において命に

関わることも多い病気ですので、気を付けて頂けたらと思います。

病気や加齢などにより飲み込む機能や咳をする力が弱くなると、口腔内の細菌等が誤って気管に入りやすく

なります。その時にからだの抵抗力が落ちていると、発症してしまうのが誤嚥性肺炎です。その原因として

多いのは、睡眠中等知らない間に細菌が気管に入ることで引き起こされる不顕性誤嚥です。特に睡眠中に

口腔内で細菌が増殖していると危険です。

誤嚥性肺炎では、悪臭を放つ膿性の痰が出てくることが多く、一般的な細菌性肺炎にみられるような発熱

や咳はあまりともなわないことが多いです。他の症状としては、元気がない、食欲減退といった軽い症状

程度しか出てこないことがあり、肺炎と気付かないこともあります。

予防の2大ポイントは、「口腔の清掃」と「機能回復」です。つまり、歯磨きなどにより口の中を清潔にして

細菌を減らすこと、そして、食べたり飲み込んだりする摂食・嚥下機能を回復させることが大切です。

自分では大丈夫と思っていても、歯周病等の為、知らない間に口腔内で細菌が増殖しているかもしれません。

また、摂食・嚥下機能が知らない内に低下しているかも知れません。不安に思われる方、また身近に不安に

思われている方がいらっしゃれば、一度医療機関に相談されることをお勧めします。 

  2013/07/11   ふくだ歯科
タグ:肺炎

CGF・AFG治療しています。

CGF(Consentrated Growth Factors)・AGF(Autologous Fibrinogen Glue)とは

自己血液フィブリン・フィブリノーゲンのことです。

患者さんから採血した血液を特殊な遠心分離機にかけることにより生成され、

1.手術後の創部の治癒促進します。

2.骨再生の足場となり、骨再生を促進します。

  2013/06/09   ふくだ歯科
タグ:骨再生